私は仕事の関係上グループの皆さんと昼食を食べることが圧倒的に多いわけですが、その時に皆様が食べるものはウィーンナーシュニッツェルが圧倒的に多いです。
パッケージツアーの皆様は平均的にウィーンに2泊します。
他の街から移動して夕方ウィーンに着いて、次の日まる1日観光、翌日にはまた移動というパターンが圧倒的に多いです。また、夕方ウィーンに着いて、翌日の午前中に観光し、昼食後にもうウィーンを離れるというもっと忙しいパターンも多くあります。
パッケージツアーの場合の多くは食事がついているので、ウィーンで食べる場合には朝食はホテルですから昼食と夕食ということになり、多くはどこかのレストランで食べます。
(ホテルでディナーというパターンももちろんありますが)
その時のメニューとして名物料理のひとつであるウィーンナーシュニッツェルをどこかで食べるというのはある意味では当然です。
団体ツアーの皆さんの昼食がウィーンナーシュニッツェルである場合が非常に多いので、私の場合は毎日ウィーンナーシュニッツェルを食べることになります。
ウィーンナーシュニッツェルはおいしいですが、さすがに毎日は無理です。
そのため、私はたいてい違うものを食べることになります。
でもウィーンの3大名物料理のひとつのウィーンナーシュニッツェルはたまに食べたくなりますし、家でも作ります。
街中のどのレストランでもまずシュニッツェルはあるでしょう。
以前デーメルのウィーンナーシュニッツェルを取り上げましたが、今日はウィーン最古のレストラングリーヒェンバイスルのウィーンナーシュニッツェルです。
レストラングリーヒェンバイスルのウィーンナーシュニッツェルはこんな感じです。
もちろんオリジナルスタイルの子牛です。
衣もサクッとしていて肉も柔らかくておいしいです。
シュニッツェルが大きいので添えられているジャガイモが隠れています、間にレモンが見えますね。
ウィーンナーシュニッツェルはやっぱりレモンと塩です。
最初にこれを食べる日本の方は、おそらくソースとがあるといいな~・・・と思われるかもしれませんが、ウィーンナーシュニッツェルにとんかつソースは邪道です。
決してまずくはありませんが、慣れてくると塩とレモン以外には考えられなくなります。
とんかつソースはやっぱり日本のとんかつに使われる衣と肉にはぴったりですが、こちらでウィーンナーシュニッツェルに使われる砂のようにサラサラしたゼンメルの粉には個人的には合わないと思っています。
うちでもシュニッツェルを作ることもあればとんかつを作ることもありますが、衣を使い分けています。
ここのシュニッツェルの上には炒めたパセリが添えられています。
Wiener Schnitzelという名称はどうやら19世紀終わりに定着したようですが、もっと前の1831年のある料理の本で確認できます。
有名な伝説として語り継がれているのは、時のフランツ・ヨーゼフ1世の統治時代、1848年の3月革命時から1849年においてのイタリアのSanta LuciaやNovaraの戦いで大活躍し、有名になるラデツキー将軍が "Costoletta alla milanese"というミラノ風カツレツを持ってきた・・・という説です。
でもこれは歴史的検証から否定している学者もいます。
ウィーンナーシュニッツェルはポピュラーな料理だけあってどこでも食べられるので、どこも同じような味だと思われるかもしれませんが、逆に慣れてくるとそれぞれのレストランによって味がかなり違うことがわかってきます。
油の質とか、揚げ加減とか衣の付け方とか色々な要因があると思います。