一昨日の午後から気温もまた上がり、青空が広がって来たウィーンです。昨日はほぼ30℃で暑い一日でした。
私は昨日ドナウ河の最も美しいヴァッハウ渓谷を御案内しましたが、絶好の船下り日和で、週末の天気がいい日ということもあってメルク修道院やクルーズ船はかなりの混雑でした。
さて、今日は月曜日ですがマリア被昇天ということでオーストリアは祝日です。
地元では長い週末ですね。
イエス・キリストを身ごもった聖母マリアにもお決まりのエピソードが存在しています。
ナザレの町にヨアキムという、イスラエルの古い部族の血をひく裕福な男性がいて、彼の悩みは結婚して20年にもなるのに子供がいないことでした。信仰心が厚い彼は、子供がいないという理由で神殿の犠牲の捧げものを祭司から拒否されてしまいます。子供がいない者は、神の民を増やせないので資格がないという理由です。また、妻のアンナも子供がいないという同じ悲しみに暮れていました。
ある日、天使がアンナのもとに現れて、「神はあなた達の願いを聞きとげて下さった、しかも世界中に知られることになる人を身ごもったのです」というお告げがありました。その後9ヶ月後に高齢であったアンナは無事に出産し、"マリア"と名付けられました。
キリストが天に昇天し、その後10日後に弟子達の前に現れる聖霊降臨祭が過ぎて使徒達は世界中に散って行った。その後マリアは12年、もしくはその倍の24年を生きたとされ、マリアも60歳、もしくは70歳を超えていました。そこへ1人の天使がマリアの前に現れてマリアに死のお告げをします。そのお告げとは、3日後に臨終が来るということでした。マリアはもう一度使徒達に会いたいと思いました。この天使はミカエルとされています。
すると、はるばる雲に運ばれて使徒たちがやって来ました。そして真夜中にはキリストが到来し、キリストの腕に抱かれてマリアの魂は天に昇って行きました。
この時キリストは使徒たちに3日後に再び来ることを告げました。使徒達はマリアの遺骸を柩に収めて埋葬しました。約束の3日後、キリストがマリアの墓に現れ、大天使ミカエルがマリアの魂を抱いていて、「母上、よみがえりなさい」とキリストが言いました。すると、マリアの魂は遺骸に入り、マリアは起き上がって天使たちに伴われて天に昇天して行きました。
聖母マリアはキリスト昇天と違って、自らの力ではなく、天使によって天に昇って行ったので、"被昇天"と表現されるわけです。
マリア被昇天は6世紀から存在しているようですが、1950年ローマ教皇ピウス12世によって正式に教義とされました。
写真はウィーンの美術史博物館にあるルーベンスの聖母被昇天です。
聖母マリアについて 1(マリア崇拝)も御覧下さい。