オーストリアは郊外にも美しい風景が広がっていて見所が本当に多く点在しています。
ウィーンの中心はかつての帝国の都であったことから荘厳な街並みですが、ちょっと外に行くだけでもの中心とは違った、のどかな美しい風景を見ることができます。
うちは家族で郊外に出かけることが多くオーストリアの自然を満喫します。
その時にオーストリアの普通のガイドブックには絶対に紹介されていない、しかし地元ではよく知られた所に行くことも多いです。
最近またHochmoor Schrems(ホッホモーア シュレムス)という、うちのお気に入りのスポットに出かけてきました。
Hochmoor Schrems(ホッホモーア シュレムス)はオーストリアの自然公園(Naturpark)のひとつで、ここはウィーンから135km程北北西に車で走ったNiederösterreichのWaldviertelの一角でチェコとの国境に近い所に位置しています。
Moorは湿地帯、湿原という意味で、Schremsは街の名前です。
オーストリアは自然が形成したある意味では歴史ある場所が"Naturpark" (自然公園)として管理されていて、国内に48箇所のNaturparkがあります。
VNÖ (Verband der Naturparke Österreichs) ---オーストリア自然公園連盟が中心になって管理しています。
家族とよく出かけるウィーンの森のHagenbachklammがある自然公園EICHENHAINや、
巨大な石がたくさんあるBlockheideも自然公園になっています。
この自然公園の一角には"Unter Wasser Reich" (ウンターヴァッサーライヒ)と名付けられた水の自然博物館があります。(上4枚の写真)
ここだけは有料ですが、湿地帯の周りを歩けるようになっていて、その環境で生育している植物がたくさん見られ、人力いかだも2箇所あって結構楽しめます。
また施設内は水族館的になっていて、魚や微生物などがたくさん展示されていて、微生物などを顕微鏡で観察できるコーナーもあります。
外にはカワウソも飼育されています。
標高535mのこの場所はオーストリア最大の300haの泥炭の湿地帯になっていて、その内の119haが自然保護地域に指定されています。
泥炭はドイツ語ではTorf(トルフ)です。
ここには1枚目の写真に見られるように4.5km,5,5km,12km,1kmの4つのハイキングコースがあり、この地域を大きく1周したり、縦断することができます。
この日はとても気持ちよく歩くことができました。
湿地帯なのでウィーン近郊の森などとは全く違う植物が見られます。
Torf(泥炭)とは湿原植物が生育する湿原地帯に形成される分解不完全な植物遺体の堆積物で、ピートとも言われます。
湿った泥のように見え、可燃性があるので燃料として使われます。
実際にここでもTorfが取られていましたが、今では逆に環境への配慮からここは保護されています。
この地域は1年間で1mmという割合で現在でも堆積しています。
このハイキングコースの一角には上の写真に見られるように"Moortretbecken"という実際に湿地帯に足を入れられるコーナーがあります。
泥土浴ですね。
かなり深いです。
自然に形成されたこのようなものがこの地域にはたくさん見られます。
ウィーンからはかなり遠く、車がなければ不便ですが十分訪れる価値がある自然公園です。