最近日本からの団体ツアーでは"路面電車の体験乗車"を観光中に組み込むことがまた多くなりました。
以前からもありましたが、観光内容がワンパターン化しないように、また他の旅行会社との観光内容に差をつけるためにも組み込まれているわけです。
この場合は路面電車をチャーターするシリーズとは違って、どこかで普通に走っている路面電車に数分乗車するというものです。
どこかでと言っても、観光内容からして乗車する場所はたいてい限られているわけで、リンク道路沿線かベルヴェデーレ宮殿から中心に向かう時に乗車するのが一般的です。
その時にはお客様にウィーン市の公共交通機関のシステムや料金の御案内もします。
当然、定期的に検札が行われることや、不正乗車の際の罰金などの話もするわけですが、ある時、停留所で不正乗車の話をした後、路面電車に乗り、走り出した直後に検札が来ました。
この日はシェーンブルン宮殿が終わり、ベルヴェデーレ宮殿のクリムトを見た後に中心にある国立オペラ座まで向かうのに路面電車を使いました。
ここからは路面電車のD線を使います。
皆さんには2.20ユーロの初乗り券を事前に用意し、それぞれ配りました。
停留所で路面電車を待っている時にウィーン市の公共交通機関について色々と説明し、また午後のフリータイムで個人的に地下鉄や路面電車に乗られる方のためにも自販機などでの買い方も説明しました。
最後に検札の方法と不正乗車についての話をしたわけです。
日本と違ってこちらは改札など一切ないので地元の人達は涼しい顔をして乗り降りしているように見えますが多くは年間定期を所有しています。
そうこうしているうちにD線が入ってきて30名様以上の皆さんが乗車し、車内でそれぞれが打刻をし終わった瞬間に後方から私服の検察官が1名現れました。
この車両は他のお客さんはほとんど乗っていませんでしたので、ほぼ私達だけの貸し切り状態でしたが通常通り、ひとりひとり検札が行われました。
団体での観光中に路面電車に乗って検察に遭遇することはまずなかったのですが、この時は事前に皆さんに不正乗車の話をした直後にまるで示し合わせたかのようにその検札がやってきたのでものすごいタイミングでした。
でもこの時のお客様は社内検札を経験されたのでそれもウィーン旅行のひとつの思い出となりました。
もどうぞ。