ヨーロッパで一番長く続いたハプスブルグ王朝の居城があった街がウィーンであり、しかも
そのハプスブルグ家から神聖ローマ帝国の皇帝やローマ王が大変多く登場していますので、
このウィーンの街は皇帝の居城であったわけで、ヨーロッパの他の街とは歴史的な立場というものが全く違っています。
ウィーンの王宮にある宝物館に行くとその辺の流れがよく理解できるものがたくさん展示されています。
すでにこのコーナーでもオーストリア帝国帝冠や神聖ローマ帝国の帝冠、2680カラットのエメラルド、無敵の力を持つ聖槍、黄金の水差しと水盤などをすでに紹介しています。
今日はそこからまたひとつ取り上げようと思います。
こちらは"黄金のバラ"
(Goldene Rose)と呼ばれている豪華な生け花?です。
これは1818年~1819年に、
Giuseppe SpaganaとPietro Paolo Spagnaによってローマで製作されたものです。
高さが60cmの黄金のバラです。
ローマ教皇は四旬節の第4日曜日に黄金のバラを祝福して親しい人達に贈るという習慣がありました。
このバラはローマ教皇ピウスVII世がフランツII/I世の4番目の皇后カロリーナ・アウグスタに1819年に贈ったものです。
よく見るとこのバラは全部で13あり、頂点のバラはキリストを象徴するということです。
残りの12のバラはキリストの12使徒を象徴します。
一番上の13番目のバラには香料が入れられているということです。
このような工芸品にも宗教的な意味合いを示すものが多く取り入れられています。
そのような意味がわかるとこのような工芸品はもっとおもしろく見えてきますね。