ウィーンは緑が溢れている街ですが、"自然を感じられる"と言えば公園以外では中心部ではほとんど見ることができませんね。
公園だって前からあった木などは残したかもしれませんが人工的に作ったわけですから、そういう意味では自然とは言えないかもしれません。
本当に自然を感じようと思えばやはり郊外に行くことになります。
観光レベルで手っ取り早いのはウィーンの森でしょう。
しかし観光で行くウィーンの森は言われある有名な決められた場所のみで、実際に地元の方々は有名所はさることながら様々な場所で自然を楽しんでいます。
オーストリアはウィーンを離れるとのどかな美しい風景が広がっている国で、ウィーンの郊外を始め、国内には豊かな自然が広がっています。
私も時間がある時には家族とよく色々な所に出かけています。
うちのお気に入りのスポットとして"Blockheide"(ブロックハイデ)があり、最近もおにぎりを持って出かけてきました。
BlockheideはNiederösterreichのWaldviertel(ヴァルトフィアテル)の一角にあるオーストリアの自然公園のひとつで、チェコとの国境に隣接するオーストリアのGmünd(グミュント)の目と鼻の先にあります。
ウィーンからは車で約140kmと結構離れていますが歴史的にも重要な場所で、新石器時代からの跡が確認されていて地元でも有名です。
上の写真はこのBlockheideの見取り図で、以下に示すように色分けされた4つの散策コースがあります。
GRANIT-TOUR (2,9 km)
MYTHOlogieTOUR (3,5 km)
LANDSCHAFTSkulTOUR (2,8 km)
MARIENKÄFERWEG (5,6 km)
中に入ると、草原地帯、池、森、そして一番重要なこの自然から形成された巨大な石の塊をいくつも見ることができます。
下にいくつか有名な石を掲載します。
こちらはChristophorussteinです。
不思議な形の石の塊がこのように重なっているのです。
こちらはTeifelsbettと呼ばれています。
悪魔のベット!?ですね。
後ろにここでハイキングをしている人達が見えますが。人間の大きさよりも遥かに大きいことがわかります。
こちらはPilzsteinです。
名前の通りキノコの石ですね。
こちらはKoboldsteineです。
小妖魔の石群です。
この辺りは"Bömische Masse"(ベーミッシェ・マッセ)と呼ばれ、現在ではオーストリアの国境界隈からチェコを含む地域です。
古生代(約5億4200万 - 約2億5100万年)に形成された山脈の残りとなっています。
つまり、この巨大な石はそれだけの年月が経っているということになります。
豊かな緑、森林地帯がコースになっていて、大きな池もあり巨大な石は集中してわるわけではなく、それぞれ散らばって残されています。
自然公園の中には売店も兼ねたインフォセンターがあり、そこには2003年に作られた展望台があります。
この展望台はトウヒとカラマツの木で作られ、高さ25.8m,140の階段があります。
上からの眺めがまた印象的で、左下の写真にその展望台が見えますね。
右下の写真は展望台から見た真下の風景です。
たくさんの石がこの辺りにも見られます。
自然公園の中には売店はあり、飲み物などは買うことができますがしっかり食べられる物は売っていないのでお弁当を持って行くことをお勧めします。
ここは自然と歴史、特に地質学的にも非常に面白い所です。