オーストリアはユーロ通貨が2002年のユーロ導入時から使われています。
紙幣が7種類、硬貨が8種類あります。
硬貨はそれぞれのユーロ圏の国によってデザインが違っていることは有名ですね。
紙幣は5ユーロ紙幣から10,20,50,100,200,500ユーロとなっています。
この最高額の500ユーロ紙幣が廃止されることが2016年5月4日に決定しました。
オーストリアやユーロ圏を旅行されても500ユーロ札を見ずに帰る方もかなりいらっしゃると思います。
500ユーロ札は紫色で現代建築がテーマになっています。
ウィーンで生活をしていても500ユーロ札はほとんど見ることがありません。
銀行でまとまったお金をおろす時とか高価な電化製品などを現金で支払う時ぐらいに見ることはありました。
500ユーロどころか黄色の200ユーロ紙幣も通常ではあまり見ることがありません。
そのような高額な紙幣での支払いはかなり拒否されることも事実です。
私は国家ガイドとして急な事態に備えたいていどちらの紙幣も携帯していて、お客様によくユーロの話題になるとお見せすることがあります。
500ユーロ紙幣や200ユーロ紙幣を始めてみる方がほとんどです。
2016年5月4日、欧州中央銀行は500ユーロ紙幣の廃止を決定しました。
2018年の終わりで500ユーロ紙幣の発行を停止するということです。
その理由は?
500紙幣は"マネーロンダリングに悪用されている"と懸念されています。
マネーロンダリングは"資金洗浄"と言われ、脱税、麻薬取引などの犯罪にによって得られたお金の出所をわからなくするために架空の口座や他人名義の口座などに転々と送金を繰り返したり株や大口寄付などを行ったりするものです。
つまり闇で得られた汚れた金です。
これらは当局の摘発を逃れるためのもので、法律で禁止されています。
500ユーロ紙幣廃止は貯蓄をしている多くの人に不安を与えています。
これはお金そのものが将来的に廃止される初めの一歩ではないかとの見方です。
実際に専門家でもこの決定は現金廃止に拍車をかけるという意見もあります。
欧州中央銀行は500ユーロ廃止に伴なって、その価値を他の紙幣で代用するためには少なくても500.000.000ユーロはかかるだろうと試算しています。