ウィーンの春は様々な花が咲いていて、行きかう人々の目を楽しませてくれます。
緑が多いウィーンの街ですから緑だけでも悪くはありませんが、花が多く咲くのはやっぱりこの時期ですね。
数日前にシェーンブルン宮殿のフジのアーチを紹介しましたが、この花もシェーンブルン宮殿で毎年お馴染みにこの時期に登場する花です。
毎年この時期にシェーンブルン宮殿で「あの花は何ですか?」という質問が何回もあるこの花はドイツ語では、Rotdorn(ロートドルン)、学名で
Crataegus laevigata ‚Paul’s Scarlet‘ + Punicea + Punicea Flore Pleno、
日本語ではセイヨウサンザシとかアカバナサンザシと呼んでいいでしょうか。
バラ科のサンザシ属です。
ヨーロッパから北アフリカにかけての標高1000mぐらいまでの所に見られローム土壌(粘土質の高い土壌)を好みます。
セイヨウサンザシはかなり深く根づき、低木もあれば、10mぐらいまでの高い木もあります。
開花時期は通常5~6月で、一重咲き、八重咲きで、濃いピンク色ですが、桃色、紅色もあります。
小さいピンク色の花がまとまっていくつも咲いていて、そのかたまりがたくさんあります。
拡大した写真を見るとそのかたまりはアジサイのような雰囲気ですが、アジサイよりも遥かに小さく、それぞれの花が細かいです。
アカバナサンザシの多くははこちらでは観賞用として人気があり、散歩をしていると庭や公園に多く植えられているのがわかります。
でも自然の中で見られるのはたいていが白のサンザシです。
自然の中で見られる白のサンザシは、Weißdorn (Crataegus laevigata)
ヴァイスドルンです。
高くて10mぐらいになり、川沿いなどに多く咲いています。
8月ぐらいから赤い実がなります。
それ以外、赤も白も、野生の鳥や自然界の小さな生き物などに、特に冬場に食糧を提供するという重要な役割を持っています。
シェーンブルン宮殿のアカバナサンザシは2016年5月6日9:30頃に撮影したものです。