オーストリアは生産量からすればヨーロッパでは3本指に入るぐらいのワイン王国です。
日本でオーストリアワインというと一部の人にしか知られていないのが本当に残念です。
しかしオーストリアはヨーロッパでも最も複雑と言われるワインの国家規定を厳格に定めている国で、高品質の割にはワインの値段が安いのも特徴です。
地元では気軽に飲まれています。
おっと、ワインの方に話題が行ってしまいそうになりました。
今日はビールがテーマなので軌道修正しましょう。
同時にビールもたくさん飲まれていて、オーストリアには現時点で174の自家製ビールがあります。
ウィーンのOttagringerやザルツブルクのStiegl,OberösterreichのZipfer、シュタイヤーマルクのGösserなどは非常に有名です。
その中で今日話題にするビールは"オーストリアで最も貴重なビール"として売られている"Schlägl" (シュレーグル)についてです。
SchläglはOberösterreichの人口3100人ぐらいの街Aigen-Schläglにある修道院のビール酒造所から生まれるビールです。
ここの修道院Stift Schläglは1202/1203年にパッサウの司教Wolfger von Erlaによって設立されたシトー修道会(当初は)で、数年後の209/1210年になくなってしまいます。
おそらくその地域の気候などが原因とされています。
その後Manegold von Berg、パッサウのUlrich2世の努力によってプレモントレ修道会として1218年に再び蘇りました。
このSchläglはこの修道院の酒造所から生まれていて、1580年の創業ですからとても歴史があります、
しかし実際にはもっと古くからこの修道院ではビール製造が行われていたことが確認されています。
しかも、オーストリアでは唯一の修道院で作られているビールです。
写真はビール瓶の裏側にあるラベルが見られます。
"Das wertvollste Bier Österreichs"・・・オーストリアで一番貴重なビールと書かれていますね。
ボヘミア地方の天然水を使用し、アルコール度は5.0%でタイプは下面発酵のMärzenbier (メルツェンビール)で、ホップのほどよい苦さが感じられます。
この貴重なビールは残念ながらどこでも手に入るものではありません。
ウィーンでも売っている所は非常に限られています。
たまにウィーンの森のマイヤーリンクの売店で売られていますが、希少価値があることで
人気もあり、売り切れになっていることが多いです。
私自身アルコールはあまり飲むわけではありませんが、希少価値が高いオーストリアのビールとしてお勧めできます。
飲んだ感触は確かに一般的なビールとは違っていました。