先日、ケルトのお祭り(Keltenfest)に行って来ました。
名前の通りケルト人をテーマにしたもので、年に一度この時期開かれる地元ではかなり知られたお祭りです。
Keltenfestはウィーンから50km程離れたNiederösterreichの一角Asparn an der Zayaにある"Schloß Asparn"というお城で開かれました。
ここはオーストリアではWienviertelと呼ばれている地域で日本の皆様とは観光で来ることはほとんどありません。
右上の写真がそのお城です。
このお城はHadmar von Sonnbergによって、1121年からここにあったお城の残りを利用して13世紀の半ばに建てられました。
ここは1970年からは先史時代の博物館となっていて、2014年からは原始時代と中世考古学の博物館でもあり、"MAMUZ Schloss Asparn"と呼ばれています。
ここが入口で、このお城の中庭でKeltenfestが開かれています。
お城の中庭は豊かな緑が広がっていて、そこら中にテントが張られていて、様々なコーナーに分かれています。
子供達を始め、大人まで実際にケルト文化を体験できるコーナーがたくさんあります。
例えば左下の写真はパンを作っています。
大きな石のくぼみにパンの原料となる小麦を潰していて、そこから生地を作っています。
ケルト人達は当時、1kgのパンを作るのに5時間も必要だったということです。
右下の写真は鋳造している場面です。
まるで昔のミシンのように自ら足でペダルを踏んで風を強くしています。
フードコーナーもあり、ケルト風料理を食べました。
かなりおいしかったです。
ケルト人はインド・ヨーロッパ語族に属し、ヨーロッパの先住民と言ってもいいと思いますが、記録を残さず、文字もギリシャ語などを借用しただけなのであまりわかっていないのが現状です。
しかし、中部ヨーロッパでは紀元前2.000年前後(青銅器時代)には定住し、特に紀元前800年のオーストリアのハルシュタット鉄器文化は有名ですね。
オーストリアも紀元前2世紀にはケルトによる"ノリクム"という王国がありました。
でもこれはやがて勢力が大きくなっていった古代ローマ帝国に吸収されます。
ケルト人らしい衣装を身につけて寸劇をやっています。
また右の写真では当時の食事を再現しています。
このケルトのお祭りは今年4月23日、24日の2日間行われ、うちは24日の日曜日に行って来ました。
この日は残念ながら前日から寒くなり、この日もかなり寒かったです。
でも雨が降らなかったのは幸いでした。
時間に合わせて様々なプログラムが容易されていて、中性的な雰囲気を感じるおもしろいお祭りでした。
このSchloß Asparnはケルトのお祭りに使われたテント小屋以外、写真にも登場していますが先史時代からの様々な当時の住居が普段からも外に展示されています。
お城の中にもたくさんの展示品があり、前述したように博物館になっているので普段も入場することができます。