ウィーンによく見られるこの時期の花 140(セイヨウミザクラ)

この時期日本からのお客様にバスでの移動中、「車窓から白い花が多く見られるのですが何でしょうか?」とよく聞かれることがあります。

ザルツブルクやチェスキークルムロフからウィーンに移動する時、または逆にウィーンからそちら方面に移動する時にA1高速道路を使いますが自然の中で白い花が咲いているのがよく見られ、しかも背丈がかなり高いのでよく目立ちます。

 

その花はウィーンの街中にもたくさん見られる"サクラ"の一種でお客様にも「それはおそらくサクラだと思いますよ」と言うと、「あ~、やっぱりサクラですか!」ということがよくあります。

 

ドイツ語ではVogel-Kirsche

(フォーゲルキルシェ)とか

Süß-Kirsche (ズースキルシェ)と呼ばれています。

学名ではPrunus avium

日本語ではセイヨウミザクラでしょうか。

バラ科のサクラ属の落葉樹です。

 

"サクラ"と言えば日本でもお馴染みなピンク色をイメージしますが、その多くは観賞用として植えられているソメイヨシノです。

でもこちらに自生しているこのセイヨウミザクラは白い花です。

自生しているサクラは本来花の色は白です。

すごいボリュームで密集して花を咲かせるので遠くからでもよく目立ちます。

開花時期は4月~5月で高さは15mから30mを超えるものまであります。

大きなものは幹の直径が1.5mぐらいになるのもあるそうです。

葉が出る少し前に濃い白い花が咲きます。

花弁は普通は5枚で直径は2.5cm~3.5cmぐらいです。

葉は7cm~15cmぐらいで規則正しく左右対称です。

 

 

幹には典型的な横線が何本も入っています。

7月以降に実がなりますが基本的に食べることができます。

同じVogel-Kirscheでもサクランボのように甘いものもあれば苦くて食べるのには適さないものとあるようです。

 

 

サクラの原産はヒマラヤ界隈と言われていますが、このセイヨウミザクラはこちらオーストリアやウィーンにも多く見られ、スペイン北部から中央ヨーロッパにかけて多く自生していますし、観賞用としても公園などに植えられています。

 

このセイヨウミザクラは数千年前の青銅器時代に人類によって食べられていたそうです。

サクランボの栽培品種の先祖は主に2つであり、セイヨウミザクラはその一つだそうです。

 

余談ですがこの前ここで話題にしたベニバスモモも同じPrunusです。

 

写真は2016年4月12日 16:00頃Marchfeldkanalで撮影したものです。

 

 

 

 

 

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