あと1週間で復活祭となりました。
すでに何度も触れていますが今年は復活祭が3月27日とかなり早いわけで、そのためクリスマスが終わった後の謝肉祭シーズンも早く終わった気がします。
街中には復活祭に関するものが色々な所に登場し、商店街などのショーウィンドゥに飾られて行きかう人々の目を楽しませてくれます。
今日はその復活祭の3大シンボルについて少し紹介します。
復活祭のシンボルと言えばうさぎ、たまご、ネコヤナギで以下のように呼ばれています。
"Osterhase (オスターハーゼ)" 復活祭うさぎ
"Osterei (オスターアイ)" 復活祭たまご
"Palmkätzchen (パルムケツヒェン)" ネコヤナギ
Osterhase
(オスターハーゼ)
Osterhase(オスターハーゼ)が復活祭のシンボルになったのは、実はそんなに古いことではなく、17世紀の終わりからです。
それより前には存在していませんでした。
それまではうさぎではなく、こうのとり、にわとり、きつねがたまごを運んでくるという習慣はありました。
うさぎは春先にたくさんの子供をもうけます。
それが"新しい生命"を象徴し、そこからキリストの"復活"と結びついたわけです。
Osterei(オスターアイ)
たまごもうさぎと同様、新しい生命の象徴です。
このたまごは、前述したOsterhaseが持って来るということになっています。
現実にうさぎがたまごから生まれるということはないですし、うさぎがたまごを運んで来ることももちろんありません。
また、たまごには色が塗られていて赤、青、緑、黄色といった一色だけのたまごもあれば、カラフルなたまごもあり、スーパーなどでもゆでたまごとしてたくさん売られています。
復活祭「たまごに色を塗る習慣」を参照して下さい
Palmkätzchen
(パルムケツヒェン)
Palmkätzchen (パルムケツヒェン)も、花屋さんでは必ずこの時期には並んでいて、レストランやお店の中などにも飾られていたりします。
またこの写真のようにそのヤナギの枝にたまごがぶら下がっていることも多く見かけます。
聖書にはイエス・キリストがロバに跨って復活祭前の日曜日エルサレムに入城した時、人々はシュロ(ヤシ)を振りかざしてイエスを迎えました。
でもこちらヨーロッパの内陸ではヤシがありませんでした。
(現在ではいくらでも買えますし、南に行けばたくさんあります)
そこでいつしかネコヤナギが代わりに使われるようになり、家をネコヤナギで飾る習慣が
生まれたというわけです。
そのため本来であれば、Palmkätzchenではなく・・・パルムはヤシ、
Weidekätzchen(ヴァイデケツヒェン)ですね。Weideはヤナギです。
でもこちらではPalmkätzchenと呼ばれています。
ネコヤナギは蜂にとって春の最初の食べ物のひとつです。
そんなことから春の訪れ・・・同時に復活祭のシンボルとなっているわけです。
この時期普通に街の至る所に見られるものでも、改めて考えるとキリスト教や地元の習慣を知らなければ意味がわかりませんね。
地元の人達だっておそらくここまで詳しく知っている人は特定の分野以外ではあまりいないと思います。
こちらで生まれ育っている人にとっては、当たり前の習慣として、そういうものとして自然に生活の中に溶け込んでいるわけで、理由や歴史的背景なんてどうでもいいわけです。