昨日のヴァッハウ渓谷の続きです。
ヒンターハウスの廃墟のお城からの眺めを楽しんだ後、時間的に余裕があったのでメルク方面へもう少し走って行きました。
ドナウ河の流れだけを見ればシーズン中の緑が多い時と比べてもあまり変わらないような気がしますが、周りの風景は冬です。
ヴァッハウ渓谷はDürnsteinからSpitzの先辺りまではぶどう畑が多く見られますが、この時期のぶどうの木はもちろん緑をつけていませんからとても広い敷地を感じます。
その後車を止めた場所はWillendorf (ヴィレンドルフ)という人口1.000人にも満たない小さな街で、SpitzやDürnsteinなどと比べるとかなりの田舎ムードが漂っています。
この街は何といっても"ヴィレンドルフのヴィーナス"が発掘されたことで知られています。
考古学上大変重要なもののひとつであるヴィレンドルフのヴィーナスは、紀元前28.000~25.000年頃と推定され、旧石器時代のものです。
日本の世界史の教科書にもちゃんと載っているんです。(私の時代は)
それが発掘された場所にちゃんと行けるようにルートができていて、そこは少し小高くなっています。
右の写真はそこからの眺めで、民家の屋根やドナウ河を挟んだ反対側の山の上には
Aggsteinの古城を見ることができます。
電車の線路もありますね。
上の写真はメルク方面を眺めています。
こちらは逆にDürnstein方面を眺めています。
この場所よりもSpitz方面の方が雲が切れていて明かるなっていることがわかります。
ここには前述したヴィーナスの発掘場所があり、当時の状況を知らせる資料などが展示されていて、そのヴィーナスのコピーが展示されています。
このコピーはシーズン中メルクから船下りをしていると左側に見えるもので船内でも案内が入りますが、たいていの人はこのコピーを見つけることができません。
船からですとここまでかなり距離があり、遠くからだと小さく見えるだけだからです。
Willendorfのヴィーナスとはこのように土偶のようなもので、豊穣の神を意識したとて極端にふくよかな像です。
自然史博物館にあるオリジナルの10倍の大きさである1.1mとなっています。
その後この辺りの空気を楽しんでウィーンに向かって走って行きました。