今年2016年の復活祭は3月27日とかなり早いです。
復活祭の日から謝肉祭(Fasching)や四旬節(Fastenzeit)が決まるので、謝肉祭の火曜日が今年は2月9日となります。
謝肉祭の頂点と言えば舞踏会の最高峰である国立オペラ座舞踏会(Opernball)です。
国立オペラ座の舞踏会は毎年、謝肉祭の最も盛り上がる火曜日(Faschingsdienstag)の前の木曜日と決められているので今年は2月4日となり、つまり今日です。
国立オペラ座舞踏会は、有名なウィーン会議(1814-1815)の時からだとされていますが、場所は宮廷関係の劇場ではなかったようです。
そもそも国立オペラ座自体、1868年に完成していますからウィーン会議の50年以上後ということになります。
その1820~30年代、この帝国の都ウィーンでは数々の大小の舞踏会が開かれるようになっていました。
ヨーゼフランナー、ヨハン・シュトラウス(父)が活躍する時代ですね。
それから王宮のレドゥーテンザールで開かれるようになっていきますが、1848年の革命時からはしばらく静かになります。
1862年Theater an der Wienが舞踏会開催を許されました。
1869年にリンク道路の現在の国立オペラ座を宮廷が使い始めますが、皇帝フランツ・ヨーゼフ1世がここでの舞踏会を拒んでいたため、1870年に完成したニューイヤーコンサートで有名な楽友協会ホールで "Ball in der Hofoper"として開かれました。
1877年に皇帝フランツ・ヨーゼフ1世が賛同し、初めて現在の国立オペラ座の一角で祭典が行われました。
ハプスブルグ帝国崩壊後、オーストリアが共和国となり、すぐに帝国時代の懐かしさから1921年にはすでに舞踏会が開かれました。
1935年には「Wiener Opernball」という名で開かれ、1939年第2次世界大戦前日の夜、最後のオペラ座舞踏会が開かれます。
戦後壊された国立オペラ座が1955年に修復され、1956年2月9日に現在のオーストリア共和国の初めての国立オペラ座舞踏会が開かれ、現在に至っています。
つまり今年は現在のオーストリアになって60回目ということですね。
国立オペラ座舞踏会は世界各国の著名人、貴賓が集まり、男性は燕尾服、女性はイブニングドレスと決められています。
※画像は国立オペラ座のサイトより引用 http://www.wiener-staatsoper.at/
こちらは国立オペラ座の舞踏会の当日の正面入り口です。
1日で構築するのは無理なので数日前から準備します。
もちろん内部の客席を取り外し、その客席スペースと本来の舞台スペースを使って大舞踏会場を作り、さらに本来の舞台スペースにはロジェの客席が設けられます。
そのためこの右の写真のように一瞬、どこが本来の舞台であったかということがわかりません。
奥に見えているのが一時的に構築された
ロジェで、本来の国立オペラ座の舞台です。
気になるのは国立オペラ座舞踏会のチケットは今年はいくらかということですが、通常の公演での一番高いカテゴリーの最高額の席よりも少し高い入場料となっています。
以下今年2016年の入場料金をまとめます。
入場料 | EUR 290,- |
ボックス席(ロジェ) | EUR 20.500,- |
舞台側ボックス席 (大) | EUR 20.500,- |
舞台側ボックス席 (小) | EUR 11.500,- |
舞台側ロジェ テーブル付き | EUR 10.000,- |
6人用テーブル |
EUR 1.200,- |
4人用テーブル | EUR 800,- |
2人用テーブル席 |
EUR 400,- |
6階 4人用テーブル | EUR 400,- |
6階 2人用テーブル席 | EUR 200,- |
去年2015年と一昨年の2014年の入場料は250ユーロ、ボックス席(ロジェ)は18.500ユーロでしたが、今年は値上がりしています。
国立オペラ座舞踏会の様子のビデオが見られますので、興味ある方は御覧下さい。
https://www.wiener-staatsoper.at/opernball/ ※国立オペラ座オフィシャルサイトより