ウィーン市の幼稚園と小学校について

今日はこちらの幼稚園、公立小学校(ウィーン市立)について少し紹介します。

日本の学校は4月から新年度が始まりますがこちらは9月から始まります。

そのため幼稚園も小学校も9月からです。

 

オーストリアでは小学校に入る前に必ず1年間は幼稚園に行かなければいけないという法律があります。

これはドイツ語ができないまま小学校に入るということを避けることも理由のひとつで、

ウィーンはかなり広い街ですが場所によっては外国人の両親を持つ子供が現地人よりも多くなっている地域もあります。

当然こちらの幼稚園はドイツ語ですから(幼稚園によっては数ヶ国語でやっている所もありますがドイツ語は絶対です)仮にドイツ語が全くわからないまま幼稚園に入っても子供の頭は柔軟ですから個人差はありますが通っているうちに自然に覚えていきます。

でも幼稚園の先生方は大変ですね。

 

こちらでは家庭の環境によって何年幼稚園に行くかというのは違っています。

一般的に子供が3歳になるまでは家で両親と過ごせるのが理想とされていますが、この御時世で共働きをしなければやっていけない・・・という家庭も非常に多いです。

そのため1歳にならないうちから子供を幼稚園に通わせるということも珍しくありません。

ウィーンの多くの幼稚園にはKrippe (クリッペ)と呼ばれる0歳~3歳のクラスが存在しています。

その年齢だと当然おむつをしている子が多いですからおむつを取り替えるのも幼稚園の先生方の仕事のひとつとなります。

幼稚園にはKinderpädagoginという正規の資格をもった幼稚園の先生と資格を持たないアシスタントがいて、お互いに協力してクラスを担当します。

もちろん正規の資格を持った幼稚園の先生が主導権があり様々な教育を施すわけですが、

アシスタントさんは子供達の身の回りのお世話や食事の手伝いなどやその他雑務などが主流となります。

幼稚園の広さによって何人までの子供がその幼稚園に通えるかというしっかりした規定があります。

ひとクラスの最大人数もしっかり決められていて、またクリッペのクラスは最大人数も少なく設定されています。

 

また興味深いことにひとつのクラスに年齢が違う子供たちが混ざっています。

つまりそのクラス全ての子供達の学年が一緒ではなく4歳、5歳児が混ざっているんですね。

私は日本の現在の幼稚園のことは知りませんが、いわゆる年少とか年長という区別がありません。

 

私は実のところ仕事柄毎年ウィーン市の色々な幼稚園を訪れます。

毎年日本から幼稚園の先生になる大学生の皆さんの研修ツアーがあるからです。

ウィーン市の公立、私立と様々な幼稚園を見てきましたが、だいたいどこの幼稚園も日本と違って子供たちが自由に動き回れる遊び場のような雰囲気です。

部屋の色々な場所に様々な遊べる物が置かれていて、子供達は自由に過ごします。

もちろん、全員で何かをやる時間だってしっかり設けられていて、子供たちの個性を考えて決して強制したり無意味な統率をすることはなく、その中で友達や年上、年下との付き合い方も学んで行く・・・私は非常にいい環境だと思います。

子供達が持っているいいものが自然に引き出されるような環境です。

 


 

前述したようにオーストリアでは小学校の前に1年間幼稚園に行くという法律があるので、

幼稚園の授業料は公立でも私立でも食事代を除いてたいてい無料の所がほとんどです。

食事代と書きましたが、幼稚園のクラスはいくつかあるわけですが、午前中のみの半日、

夕方までの全日が一般的で、場所によっては昼食を食べた後の14時までなんていう所もあります。

食事が必要なクラスに子供を預けている家庭は食事代を払うということです。

うちの場合は午前中だけだったので食事代は全く必要ありませんでした。

 

一番理想なのは午前中の半日だけ通わせるパターンですが、両親の仕事の事情で止むを得ず全日通わせる家庭が多いです。

ただ、それぞれのクラスは人数枠があるので家庭の事情が考慮されます。

両親のどちらかが家にいて、子供を全日預けるというのはクラスに空きがあれば可能ですが

両親が2人とも仕事をしいる子供の方が当然優先されます。

両親によっては特に仕事をしてないけど、子供と全日過ごすのは精神的に大変・・・という人も全日を希望しているようですが・・・。

 

いずれにしても子供達は0歳から何年も幼稚園に通う子もいれば、1年しか通わないという子もいるわけです。

幼稚園の最後の1年の子供達はVorschulkind (フォアシュールキント)と呼ばれ、小学校に入るための準備が幼稚園で始まり、時間によってその子供達だけの授業が行われます。

 

こちらでは公立がいいとか私立がいいとか、逆に公立が悪いとか私立が悪いということはなく、その地域の環境と集まる子供達の環境が非常に重要です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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