オーストリアはドイツ語が話されています。
日本からのお客様でウィーンに旅行される前にドイツ語を少しでもやっておこう・・・という方は年間を通して結構多いですね。
もちろん短期間の旅行ですから会話レベルまでというわけにはいかないと思いますが、少なくとも挨拶ぐらいはと考える方も多いです。
私も色々な所に旅行に行きますが、その国の言葉の挨拶ぐらいはできるようにしておきたいですね。
見知らぬ旅行者が地元の言葉で地元人に挨拶すれば、地元人の反応だって違いますし、
人間的な暖かさというものを感じるはずです。
今日はそのドイツ語の話題ですが、前回は"SIE" と"DU"フォームをテーマにしましたが、
今日はドイツ語の"性"についてです。
ドイツ語はややこしい言葉で英語よりも数段文法が大変です。
名詞には"性"というものが存在します。
あまりピンときませんが、ドイツ語には男性名詞、女性名詞、中性名詞と3つあります。
本来の名詞だけでなく、その名詞が何の性であるかということも覚えなければいけません。
例えば・・・
Vater (お父さん)、Sohn (息子)は男性名詞
Mutter (お母さん)、Tochter (娘)は女性名詞
Kind (子供)、Mädchen (少女)は中性名詞
となっています。
お父さんや息子が男性名詞、お母さんや娘は女性名詞と理解できますが、子供や少女は中性で、子供が男の子でも女の子でも中性となるわけです。
単語の意味から理にかなった性もありますが、逆に全く理解できない性もあるわけです。
そのためドイツ語を学ぶ人はあれこれ考えていても意味がないので、結果的に名詞とその名詞の性を覚えることになるわけです。
もっと例を見てみましょう。
<男性名詞>
Japaner (日本人男性)、Tisch (机)、Baum (木)、Hund (犬)
<女性名詞>
Japanerin (日本人女性)、Blume (花)、Schule(学校)、Uhr (時計)
<中性名詞>
Auto (車)、Buch (本)、Kino (映画館)、Meer (海)
このように名詞には必ず"性"が存在します。
でもこれだけではまだ不完全です。
それは"冠詞"(次回これについて触れます)というものがあり、名詞を覚える時には定冠詞も一緒に覚えなければなりません。
ドイツ語の格変化は4つあり、普通は主格(俗に1格)から覚えると思いますが、
男性名詞の主格には"Der"(デァ)
女性名詞の主格には"Die"(ディー)
中性名詞の主格には"Das"(ダス)
複数形の主格には"Die" (ディー)
がそれぞれの主格に用いられる定冠詞となっています。
この定冠詞を先ほどの名詞に組み合わせます。
Der Japaner、Der Tisch、Der Baum、Der Hund
Dier Japanerin、Die Blume、Die Schule、Die Uhr
Das Auto、Das Buch、Das Kino、Das Meer
というようになります。
名詞に性は普通に考えても矛盾しているようなものが多いので、あれこれ考えるよりも
覚えるしかないです。
いちおう傾向みたいなものもあります。
アルコール関係は男性名詞が多いです(Bier ビールは中性ですが)
また、Japanerinのように~inで終わるものはたいてい女性名詞です。
Der Student (男性学生)、Die Studentin (女学生)
Wohnung (住居)、Änderung (変化) ~ung は女性名詞が多いです。
このようにドイツ語は名詞そのものだけでなく、その名詞が持つ"性"も一緒に覚えなければいけませんので複雑ですね。
これをしっかり覚えないと、やがて文章にして前置詞などと組み合わせる時には全く対応できないことになります。
急がば回れです。
日本語は世界で最も難しい言語であるにも関わらず共通性がない言葉ですから、私達日本語を母国語とする人間が外国語をやろうと思うと大変です。
ドイツ語の最初は本当にややこしいですが、ここをしっかりクリアーしないと先に行ってもいい加減なままになってしまいます。
何年も住んでいる人でも、しっかり基本をやった人のドイツ語といい加減にやってきた人のドイツ語は全く違います。