以前もこのコーナーで話題にしていますが、王宮の一番新しい部分である新王宮の中には
古楽器博物館があり、古楽器や珍しい楽器などをハプスブルグ家の歴史や有名な音楽家に沿って、時代の流れと共に見学することができます。
ここは内部建築も素晴らしく、美しい階段ホールには驚かされます。
また、何と言ってもテーマがテーマだけにいつ行っても空いています。
以前この古楽器博物館からマリア・テレジアのバイオリン、アントンカラスのツィターを
紹介しましたが、今日はレオポルド・モーツァルトのバイオリンについて少し書きたいと思います。
レオポルド・モーツァルトは言わずと知れたモーツァルトの父親であり初期古典、ウィーン古典時代の作曲家で1719年11月14日にアウグスブルクで生まれました。
マリア・テレジア女帝より2歳若いです。
ザルツブルク大学で哲学と法学を学びますが、途中から音楽に興味を持ちます。
1740年にはJohann Baptist von Thurn und Taxis伯爵家の従僕かつバイオリニストとして、その後1743年にはザルツブルク大司教の宮廷楽団の第4バイオリン奏者として採用されました。
1747年にはアンナ・マリアとザルツブルク大聖堂で結婚し、同じ年には宮廷室内作曲家になりました。
その後第2バイオリン奏者になり、そして1763年には宮廷楽団の副楽長になります。
1787年5月28日に亡くなるまで、その地位に留まりました。
48の交響曲、6つのディヴェルティメント、5つのフルート協奏曲、トランペット協奏曲、
ピアノソナタなど多くの作品を残しています。
レオポルド・モーツァルトは何と言ってもモーツァルトの才能を開花させた教育者として
重要な人物ですし、彼のバイオリン教則本も知られています。
こちらがレオポルド・モーツァルトのバイオリンです。
このバイオリンは18世紀後半に、
Simon Johann Havelkaによっておそらくオーストリアのリンツで製作されたものです。
このバイオリンはカエデとトウヒが
使われています。
バイオリンの弦を留める下の部分には象牙が使われていますが、これは後から追加されました。
このバイオリンの内部に貼られた紙にはレオポルド・モーツァルトのサインが確認されています。
このバイオリンは単独でガラスケースに収められています。
モーツァルト自身も鍵盤楽器だけでなくバイオリンも弾きました。
特にバイオリンよりも大きなビオラを好んで演奏したと言われています。
モーツァルトはお父さんの素質をやはり受け継いでいたんですね。