ウィーンはとても奥が深い街なので、一般的なオーソドックスな市内観光から音楽や美術などの専門的なツアーまで、観光の種類も様々です。
入場観光としては圧倒的にシェーンブルン宮殿が多いわけですが、王宮のシシィ博物館、
皇帝の部屋、美術史博物館やベルヴェデーレ宮殿のオーストリアギャラリー、音楽家の住居や国立オペラ座、もちろんシュテファン大聖堂なども頻繁に御案内します。
つまり様々な観光のヴァリエーションがあるわけです。
そんな中で最近国立オペラ座の内部を案内することがまた多くなっています。
今日は国立オペラ座内部の座席とそれぞれの名称について取り上げます。
このブログコーナーでも国立オペラ座については何回か話題にしているので興味ある方は以下も御参照下さい。
国立オペラ座の中はアイボリー、金、赤の色調で、これはハプスブルグ家伝統の3色となっていて、
王宮やシェーンブルン宮殿、国民歌劇場、ブルク劇場など至る所で見られます。
右の写真は国立オペラ座内部空間の一部で、座席の構造がわかるような形で撮影したものです。
一階の席からロジェと言われるボックス席の構造やその上のバルコンやギャラリーまで見渡すことができます。
画像の一番上は切れていますが、
シャンデリアがある天井部分となっています。
それぞれの場所をカラーで色分けして座席名称を以下に示します。
●PARKETT (パルケット) 平土間
●STEHPARTERRE (シュテ―パルテレ) 1階立ち席
●MITTELLOGE (ミッテルロジェ) 中央ボックス席
●BALKON (バルコン) バルコニー (2階さじき席)
●GALERIE (ガレリー) ギャラリー (天井さじき席)
●PARTERRELOGE (パルテレロジェ) 1階ボックス席
●1.RANG LOGE (エルスターラングロジェ) 2階ボックス席
●2.RANG LOGE (ツヴァイターラングロジェ)3階ボックス席
場所的に大きく分けるとこんな感じです。
さらに重要なのはそれぞれがinks (左)とrechts (右)に分かれていることです。
また、BalokonやGalerieにはMitte,Halbmitte,Seite,Ganzseiteの区別があり、
これは中心、準中心、端、完全な端ということで、舞台に向かってどのような角度で見られるかということで分けられています。
また、1階立ち席以外に、バルコン、ガレリーにも立ち席があります。
頻繁に国立オペラ座に行く人にとっては当たり前の名称ですが、初めて来る人にとってはかなり複雑です。
実際に国立オペラ座内部にいても、表示があまり目立たないため自分がどこにいるのかわからないことがあるでしょう。
そのためオペラ座の係にチケットを見せて自分の席を見つけるほうが早いでしょう。
国立オペラ座をよく単独で見学したいのですが・・・という質問をよく受けますが、
ここは国立オペラ座が提供する一般ガイドツアーでのみ見学が可能ですので、単独で中に入ることはできません。
私はオーストリア国家公認ガイドなので、国立オペラ座が一般見学を提供している時には
単独で皆様だけを御案内できます。