12月8日は"Maria Empfängnis" で受胎告知とは違います

この時期のウィーンの主役はクリスマスです。

11月半ばから始まったクリスマス市ももう後半です。

年間を通してクリスマスが一番重要なイヴェントがある12月にはそれ以外にも重要な日がいくつかあります。

一昨日の12月6日は地元で重要なニコロ(聖ニコラウス)の習慣であり、また同時にアドヴェントの第2日曜日でしたからうちでもAdventkranzに2本目のロウソクを灯しました。

 

今日12月8日は"Maria Empfängnis" (マリアエンプフェングニス)という休日です。

昨日の月曜日は平日でしたが休みをとって4連休の方が多かったと思います。

シェーンブルン宮殿やベルヴェデーレ宮殿は大変な混雑でした。

 

ドイツ語でMaria Empfängnisは、その言葉から何となく、聖母マリアが迎える・・・

つまりイエス・キリストが生まれることが知らされた

「Mariä Verkündigung」

(受胎告知)と勘違いされることがとても多いです。

地元の人もそう思ってる方が多いんですね。

でもそうではありません!

 

Maria Empfängnisは、イエス・キリストとは何の関係もなく、聖母マリアが、母アンナから無原罪で生まれて来たことを祝うものです。
日本語では"無原罪の御宿り"とか

"無原罪懐胎"と呼ばれています。




マリアが宿されたのは、マリアのお母さんであるアンナです。

そのためむしろこのこの祝日はアンナにも関係するわけです。

この写真はウィーンのアンナ教会の美しいフレスコ画です。




マリア誕生以前の話として、ナザレの街にヨアキムという、イスラエルの血を引く裕福な人物がいました。この人物こそが後にマリアの父親となります。

アンナと結婚して20年にもなるのに子供がいなかったという大きな悩みがありました。

 

ある祝日の日、信仰深い彼は神殿に捧げものを持参したら、祭司に子供がいない理由で拒否されてしまいます。

その理由は子のいない者は神の民を増やせないので資格がないということでした。

 

彼は絶望し、また一方アンナも同じ悩みを持ち、悲しみに暮れていました。ある日、突然天使がアンナのもとに現れ、"神はあなた達の願いを聞き取って下さった。しかも世界中に知られることになる人を身ごもるのです" というお告げがあり、その9か月後に高齢のアンナは無事に出産し、「マリア」と名付けられました。




この無原罪の御宿りのお祭りは、10世紀ぐらいから存在していました。

1477年にローマ教皇SixtusIV世がローマに導入し、1708年にはClemens XI世 によって

カトリック全体的に規定され、1854年PiusIX世がこの教義を公認します。


ちなみにマリア誕生はこの12月8日のMaira Empfängnisから9ヶ月後の9月8日で、

受胎告知は3月25日となっています。






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