軍事史博物館

ウィーンのベルヴェデーレ宮殿に近い所にARSENAL(アルゼナール)という煉瓦造りで独特の建築様式を持った大きな建物が並んでいる場所があります。

通常の市内観光でこの界隈をバスで通ることがよくあり、非常に目立つ建物ですから、その時には簡単に御案内していますが、個人的に観光でここに来る人は少ないでしょう。

ここは31の部分から成り立つ、かつての軍の施設で1848年の革命がきっかけとなって皇帝

フランツ・ヨーゼフ1世が建設させたものです。


リンク道路時代の有名な建築家で楽友協会や国会議事堂を建てたテオフィル・ハンセンと

ルードヴィヒ・フェルスターによってビザンチン・ネオゴシック様式で1856年に建てられました。

このアルゼナールの一角にHeeresgeschichtliches Museum (軍事史博物館)があり、

今日はそれにちょっと触れてみましょう。





アルゼナールの正面から入って中庭を抜けると、奥にはドームを乗せた3つの正面アーチが

印象的な建物がありますが、ここが軍事史博物館です。

長さ235mもあり、ドームの高さは43mです。

ここは1891年5月から博物館として一般公開されています。

中に入ると美しいアーチ構造のフロアには1.86mの60体の軍人の像が立っていて圧倒されてしまいます。





博物館の構成は1階と2階で、空間ごとに大きなテーマがあります。

1階にはフランツ・ヨーゼフ1世とサラエヴォ銃弾事件、第一次世界大戦、共和国と独裁者、

オーストリア海軍が、

2階にはオーストリアとヨーロッパ、30年戦争とトルコ戦争とプリンツ・オイゲン、

マリア・テレジアがテーマとなっています。


この博物館で最も有名なものはおそらくサラエヴォ銃弾事件に関する展示で、フランツ・フェルディナント皇太子の当時着ていた軍服や襲われた車などが展示されていて、

当時の様子を生々しく伝えています。

それはいつかここでもテーマにしたいと思います。


博物館の外にはたくさんの大砲や戦車も置かれています。

カフェもありますから小休止もできます。


この場所はちょっと行きづらいのが欠点ですが、建物内にあるビザンチン様式の美しい空間を含めて十分訪れる価値があるでしょう。


オーストリアの軍がここでよく研修なども行っています。






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