ウィーンは"森の都"と言われているぐらい緑が多い街で、街の至る所に緑が見られます。
中心のリンク道路の並木やたくさんの公園を始め、外側にもシェーンブルン宮殿やプラター公園などの大きな緑・・・そしてその豊かな緑を囲むもっと大きな緑がウィーンの森です。
地元の方々はなるべく外に出よう・・・と思う方が多く、自然の中を歩くと色々な人達に出会います。
うちも自然の中を歩くことが好きで、時間を見つけてはHagenbachklammとかMyrafälle、カーレンベルクなどによく出かけます。
また、ウィーンには"Stadtwanderweg"というウィーン市が定めている街中のハイキングコースも素敵です。
ウィーンの森にはたくさんのハイキングコースがあり、またオーストリアはアルプスを大きく持っている国ですから手軽なハイキングから本格的な登山まで無数のコースがあります。
今日は手軽なハイキングコースとして地元で有名なラインツ動物公園について少し書きたいと思います。
ラインツ動物公園(Lainzer Tiergarten)はウィーンの森西側入り口にある広大な緑で、ウィーン市MA49が管理している自然保護地域です。
広さは24.5km²もありその内23.6km²はウィーン市に入り、残りはNiederösterreichに入ります。
全体の19.45km²は森林地帯で、一周22kmもある壁に囲まれています。
この地域の歴史はローマ時代まで遡り、紀元前2世紀のセラミックのかけらなども発見されています。
その後の11世紀~13世紀の中世の物も多く見つかっています。
ここを含めたウィーンの森は、ハプスブルグ家以前のバーベンベルク王朝時代の11世紀には狩猟地域として使われていました。
皇帝フェルディナント1世がここを入手し、1561年に木製の柵を作らせています。
そこから帝国が崩壊するまではハプスブルグ家の土地でした。
皇帝カール6世の時にはヨーロッパでの一番優雅な野生公園として知られていました。
マリア・テレジアの時代にここが色々な事情で多く荒らされていったので、例えばイノシシなどはちゃんと囲いの中で飼育するようにと決められ、ヨーゼフ2世の時代に前述したここを囲む有名な壁が築かれることになります。
ここにはフランツ・ヨーゼフ1世がエリザベート皇后のために建てさせたヘルメスヴィラという有名な別荘があります。
これはまたいつかここで紹介します。
2002年の時に、日本の天皇、皇后両陛下がウィーンに来られた時に、お二人はこのラインツ動物公園のかなり奥まで行かれています。
そこにはお二人がここに来られたという記念碑が立てられています。
とにかくここは広大なウィーンの森であり、散策路も整備されていてとても歩きやすくなっています。
写真にも見られますがシカなどの動物達も放し飼いされていて、植物の説明なども随所に置かれています。
子供の遊び場もあって十分楽しむことができます。
見にくいですが、真ん中左の写真の草原奥に遊び場が見えます。
ずっと歩いて行くと奥に特別な柵が作られていて、そこには扉があり、そこから先は野生のイノシシがいるので注意してあるきましょう・・・と注意書きがしてあります。
掲載した写真はつい最近ラインツ動物公園に行った時のもので、秋の美しさが見られます。
ここには6つの入口があり、その内4か所は入口近くに駐車場が完備されています。
定番は最初の写真に見られるLainzer Tor という入口です。
うちがここに来る時にはたいていこのLainzer Torで車を停めてここから入って行きます。
車ではなくても、もちろん公共交通機関でもアクセスできますからウィーンに観光で訪れる皆さんも行くことができます。
お勧めはこのLainzer Tor とNikolaitorです。
<Lainzer Tor>
地下鉄4号線Hietzing駅から路面電車60でHermesstraßeまで来て、そこから55Aの路線バスでLainzer Tor まで。
<Nikolaitor>
地下鉄4号線の終点Hütteldorfまで行き、そこから徒歩10分でNikolaitorまで。
ここからだとヘルメス・ヴィラはかなり遠いです。
時間がある方で地元の空気を楽しみたい方は是非行ってみましょう!