ウィーンにはおいしいケーキが食べられるカフェがたくさんあります。
個人的にはハイナーやオーバーラー、ラントマンのケーキが好きですが、伝統や知名度からすればデーメルとホテルザッハーの2軒が真っ先に挙げられるでしょうか。
ウィーンで一番有名なケーキと言えばやっぱりザッハーとたいていの人が答えるでしょう。
ザッハートルテが別にウィーンで一番おいしいケーキではないにもかかわらずです。
ここでもオリジナルザッハートルテというタイトルでホテルザッハーのザッハートルテについて書いていますが、今回はデーメルのザッハートルテについて少し触れたいと思います。
こちらがデーメルのザッハートルテです。
ホテルザッハーと比べると何が違うのか・・・大きく言えば2箇所あります。
杏子のジャムが入っている場所がホテルザッハーはスポンジの中間に、デーメルはスポンジの一番上の層に・・・つまりチョコレートとスポンジの間です。
それからトレードマークのチョコレートがホテルザッハーは丸で、デーメルは三角というこれだけの違いです。
実際に食べ比べてもあまり違いはないような気がしますが、ホテルザッハーの方が若干乾いた印象があるでしょうか。
ザッハートルテは1832年、メッテルニヒが自分のゲストのために特別なデザートを作るようにと、宮廷料理部に依頼した所、料理長が病気であったため、当時まだ16歳の料理人見習いのFranz Sacher (1816-1907)が修行2年目に考案したとされるトルテです。
彼の長男Eduard Sacherは有名なデーメルで修行し、その時に現在見られるザッハートルテが作られたとされています。
デーメルは1786年Ludwig Dehneが、王宮があるミヒャエル広場にオープンすることから始まっています。
これはホテルザッハーができる90年も前のことです。
1874年には宮廷御用達という許可をもらいます。
デーメルのロゴには双頭の鷲マークが今でも付けられていますよね。
ミヒャエル広場にあったブルク劇場が壊されて、リンク道路沿いに移る時に、デーメルも今のコールマルクトに移りました。
そういう意味ではデーメルの方がホテルザッハーよりも歴史があり、しかも王宮に非常に近い所にありますね。
疲れている時に食べるとザッハートルテはおいしく感じます(笑)