ヨーロッパの歴史ある街はたいてい国鉄の大きな駅は街の中心の外側にあります。
日本は駅が中心であることがほとんどですね。
ここウィーンも今日テーマにするウィーン中央駅を始め、西駅、プラターシュテルン駅、フランツ・ヨーゼフ駅、ウィーン・ミッテ駅と5つの代表的な駅があります。
その中でも圧倒的に重要性がある駅は中央駅と西駅でしょうか。
この中央駅ができる前は、ここにはハプスブルグ帝国時代の1841年から開業していた南駅(Südbahnhof)が永らくありました。
ウィーン西駅と並んで、グラーツ、ブルゲンラント、イタリア、スロヴァキア方面に行く
重要な駅としてずっと利用されてきましたが、2009年12月12日を最後として、翌年2010年の1月4日から解体作業が始まり、予定通りその年の夏までに全て解体されました。
この南駅が解体され、ここには何もなかったことを今でもよく覚えています。
そこにこの中央駅・・・Wien Hauptbahnhofが建設されることになります。
このかつての南駅の地下を通っていた国鉄のSバーン(地元ではStammstreckeとも呼ばれていて現在でも大活躍している)は中央駅の建設中でも途中、中断はありはしましたが走っていました。
南駅から発着していた電車は一時的にWien Meidling駅に移されていました。この駅は大きな駅ではないにもかかわらず、立派にかつての南駅の代わりを務めました。
このかつての南駅敷地の一番端っこには、(Schweizer Gartenやベルヴェデーレ宮殿に近い側)暫定的な駅舎"SÜDBAHNHOF (OST)"が2009年12月13日~2012年12月8日まであって、最後の南駅の機能を担っていました。
2012年12月9日にこの中央駅が部分的にオープンし、最終的に去年2014年10月10日に中央駅とその中にある様々なショップがあるBahhofCityがオープンしました。
2014年10月14日からは南、北、東方面の全ての電車がここから発着しています。
しかし、まだ全ての計画が終わったわけではありません。
それは、かつての南駅を利用していたLaaer Ostbahnを経由して、北方面からこの中央駅に接続されることと、西方面からLainzトンネル経由でこの中央駅に接続されれば、全ての方角からこのウィーン中央駅に電車が到着できることとなります。
かつての南駅の場所だけではなく、地下鉄1号線のSübtiroler Platz駅とこの中央駅は接続されたので、大変便利になりました。
そのためここの駅名もSüdtirolerPlatz/Hauptbahnhofとなっています。
また、路面電車のD線も以前の南駅が終点ではなく、そこから2つ停留所が増えて
Alfred-Adler-StraßeまでとHauptbahnhofの東側奥まで走ります。
中央駅の中は非常に見通しがよく、モダンな空間を感じます。
Tの字のような構造になっていて、大きな通路が2つあります。
また、様々なお店がが入っていますし、フード系も充実しています。
この中央駅周辺は新たな商業地域として大きく変わって行きます。
参考までに中央駅周辺の地下鉄、路面電車、路線バスの見取り図をダウンロードできるようにしてあります。
資料はウィーン市交通局によるものです。