ウィーンで一番古い教会はルペルト(ルプレヒト)教会です・・・とたいていのガイドブックでは紹介されています。
しかし厳密には"現存している"という意味で一番古い教会であって、歴史的にウィーンで
一番古い教会はペータース教会です。
だいぶ前に塩の守護聖人の話で登場したこのルぺルト教会について今日は少しまとめようと思います。
ルぺルト教会はドナウ運河沿いにあるSchwedenplatzから歩いてすぐのちょっとした小高い所にあり、しかもこの地域はローマ時代ヴィンドボナの一角に位置していて、歴史的に古い場所です。
このルペルト教会は伝説によれば8世紀の740年頃、記録で確認できるのはバーベンベルクHeinrich2世がショッテン修道会を提供する時の古文書に1200年と記されています。
Rupertはもともとラインフランク貴族の出身と言われています。彼はウォルムスの司教という宗教的に高い地位についていたとされ、バイエルンTheodo公爵がキリスト教の布教とそれを支える目的でRupertをレーゲンスブルクに呼びました。彼はそこを去って、オーストリアのエンスを経由しザルツブルクへ向かったそうです。
ザルツブルクのペーター修道会はこのルペルトによって建てられました。
ロマネスク様式の塔が印象的で、教会の壁などもいかにも古そうです。
この教会は現在の姿になるまでに何回も変えられたり、改築されたりしていますが、現在見られる一番古い部分は塔の部分と内部空間の一角で12世紀の初頭です。
教会中部は、細長い教会を2つ隣同士にしたような構造で、中央祭壇がある空間は、右側に隣接している空間よりも幅が広くなっています。
イエス・キリストの磔刑像が天井からぶら下がっています。
全体的にゴシック様式を見ることができ、ステンドグラスも印象的です。
内陣奥Apsisにある3つのステンドグラスの中で、中央のステンドグラスはウィーンで最も古く、1270年頃のものです。
その両側の2つは1949年のものです。
身廊にあるステンドグラスは1990年代初頭のものです。
1276年には大きな火災があり、その後の再建でゴシック様式になりました。
14世紀にこの教会の南側の壁が壊されて拡張されました。
内部にピンクのライトが灯されているのはJudith Huemerが手掛けたモダン芸術です。
中世から19世紀半ばまでは教会の塔の横に"Praghaus"という建物が隣接していました。
その建物は1500年~1824年までは塩の役所として機能していました。
ザルツカンマーグートから船で運ばれてきた塩はここに貯蔵されて売られました。
そこでここには塩の守護聖人のルペルトが立っているわけです。
20世紀の終わりに大きく修復され、同時に補強もされました。
このルペルト教会界隈は地元で有名なバミューダ三角地域でもあり、夜に行くとたくさんの店が営業していてとても賑やかですが、昼間は逆にとても静かです。
残念なことにこのルペルト教会はいつも長く開いているわけではなく、曜日によって午前中か午後の2時間半しか現時点では中に入るができません。
でもとても価値ある重要な教会のひとつです。