ウィーンから半日のオプショナルツアーや、全日観光でも午後ウィーンの森に行くツアーも
多いわけですが、その時にたいてい南の森に出かけます。
ウィーンの森はウィーンを北、西、南と3方向から囲み、広さ1.250km²もあるヨーロッパアルプスの一番東側にある部分です。
ウィーンの森観光と言えば、北方面と南方面に大きく分かれると思いますが、比率的には
南の方が圧倒的に多いです。
こちらは行きにくい・・・ということもありますが、見所が多く点在しているからです。
バーデン、ハイリゲンクロイツ修道院、マイヤーリンク、リヒテンシュタイン城、
ゼーグロッテなどがこの南で一般的な観光ポイントです。
その中でよく訪れるゼーグロッテに去年の冬の間に演出が追加されました。
Seegrotte (ゼーグロッテ) はヨーロッパ最大の地底湖で、ウィーン南の森一角のヒンターブリュールにあります。
ここは1848年に石膏鉱山から始まり、その後地下水脈を掘り当てて地底湖が形成され、
その神秘的な地底湖をボートで遊覧することができます。
その演出のひとつは、工夫さんが石膏を採掘している場面です。
石灰岩盤の壁を砕いている工夫さんと
石灰岩が積まれています。
ゼーグロッテの入口から長い産出坑道をどんどん奥に入って行くと、煉瓦で作られたかまぼこ型のアーチが終わった後、すぐ右にある空間に置かれています。
この産出坑道は当時トロッコがけたたましく走っていました。
もうひとつの演出は、馬が何やら繋がれているシーンです。
地底湖がある最下層から石膏が採掘され、それを上の層まで引き上げる作業をしていた当時、その引き上げる動力となったのは馬でした。
馬がこの空間をぐるぐる回って引っ張っていたわけです。
ここではその仕組みが当時の通り再現されていて、木で回転する装置が
見られます。
この空間は、地底湖に降りて行く階段がありますが、その階段の反対側の空間に作られています。以前はここには何もなかったので、馬が回って引っ張る話をしても、想像するだけでしたが、これができてからは当時の仕組みがもっとよく理解できます。
岩盤の中に穴が開いていて、これは当時木材を組み込んだものですが、それを同じように
再現しています。
ちょっとした演出ですが、この地底湖の薄暗い洞内がさらにおもしろくなりました。
因みに昨日の午後は午前中皆さんと市内観光をして、午後はオプショナルツアーでウィーンの森へ行きました。
ここ連日ウィーンは35℃以上が続く猛暑日ですが、このせーグロッテは天然クーラーで本当に快適でした。