すでに何回も書いていますが、ウィーンは宮廷文化が栄えた洗練された街ですから、
料理にも色々なバリエーションがあって、奥が深いです。
全般的にオーストリアの料理はおいしいと思いますし、特にウィーンは"ウィーン料理"という名称が当たり前のように使われます。
このコーナーでもウィーン3大名物料理として、ウィーンナーシュニッツェル、
ターフェルシュピッツ、ツヴィーベルローストブラーテンや、Eiernockerl、Kümmelbraten といった地元で定番の料理についてすでに触れています。
ヨーロッパというと、感覚的に魚をあまり食べないイメージがまだまだあると思いますが、
どこのレストランに行っても、魚料理は限られているとはいえ、たいてい食べられます。
もちろん日本のように朝の食卓からアジの開きや秋刀魚などを食べてる人ははまずこちらではいないでしょう。最もアジの開きなんか悲しいことに普通は売ってないですし・・・。
どうしても肉料理が中心になりやすいのですが、今日は代表的な魚料理のひとつです。
こちらは"Saibling Filet"
(ザイプリング フィレ―)
です。
ドイツ語でSaibling、
学名でSalvelinusはサケ科のイワナ属の淡水魚です。
イワナは世界で30種類以上あるそうです。
オーストリアは現在では海がありません。しかし雄大な
アルプスを持っていることで、氷河から生まれた美しい湖や、アルプスを流れる川、そしてドナウ河など水は豊富です。
そのため魚料理としては淡水魚系が圧倒的に好まれています。
このSaiblingはサケのような色をしていて、鱒の食感に近いものがあります。
Filet (フィレ―)はよくメニューにも登場する表記ですが、一般的に切り身です。
淡水魚と言うと、くせがあると思われる方が多いですが、オーストリアの魚料理は
そんなことはまず感じたことはありせん。
Saibling Filetと言うとこの写真のように調理されることが多いと思います。
ウィーンの街中のレストランでももちろん魚料理を食べることができますが、
やっぱりザルツカンマーグートやヴァッハウ渓谷といった地元の湖やドナウ河沿いなどの街で食べたいですね。
この写真はヴァッハウ渓谷の街のひとつであるEmmersdorf an der Donauにある
レストランのSaiblingです。