世界遺産のセンメリング鉄道 3

世界遺産のセンメリング鉄道 1ではこの鉄道ができる時代背景や当時の事情を、

世界遺産のセンメリング鉄道 2ではこの鉄道の詳細データや工事状況について書きました。

今回がセンメリング鉄道最終回です。

 

このセンメリング鉄道は、実際に乗っている人にとって、この歴史的事実を知らなければ、景色が綺麗なだけで、あとは全く面白味のない普通の鉄道のように感じてしまいます。

 

少し下調べをした人は、あの2重の高架橋を少しでも見たい・・・と思われるでしょう。

でも実際に乗るとわかりますが、ほとんど高架橋を見ることができません。

そのため、え~、もうSemmering駅に着いちゃったの~?って感じです。

だって実際に電車が高架橋の上を走って行くわけですからそれ自身を遠くから見られる所となるとほとんどありません。

カーブのタイミングで、今通って来た高架橋や、これから渡る高架橋が見える場所も少ないながらもありますが・・・。そこで高架橋をしっかり見るためには、車で行くが徒歩で行くかしかないわけです。

 

 

 

これが一番知られたセンメリング鉄道で一番大きな二重構造の高架橋です。

"Kalte Rinne Viadukt"という名前で、高さ46m、長さが184mです。

 

この高架橋はSemmering駅から5km以上離れた所にあり、徒歩では1時間以上かかりますが車だと15分弱ぐらいでアクセスできます。この写真では電車が上を走っていますね。この電車は向かって左へ・・・ウィーン方面へ向かっています。橋はこちら側にちょっとふくらんだ形になっています。

 


 

この橋の下を通り抜けることができ、ちゃんと舗装された道がありますね。

右上の写真の右上には石灰岩の山の塊がちらっと見えていますね。

この石灰岩の山が,センメリング鉄道と言うと地元で一番有名なこの場所の眺めに登場し、

景観にアクセントを加えます。

 

 

こちらが地元で一番知られたセンメリング鉄道の眺めです。

上で登場した石灰岩の山(Polleroswand)が右側に印象的に見えますね。

ずっと奥の方にその高架橋を見ることができ、電車はSemmering方面にと走っています。

二重構造ですが、自然の木が成長して、1階部分が隠れています。

 

この眺めは"20 -Schilling -Blick"と呼ばれ、オーストリアのかつての通貨シリング時代、

20シリング紙幣の裏のデザインになっていたからです。

この場所には意図的にこの素晴らしい景色が見られる展望台が作られています。

実はセンメリング鉄道沿いは地元でも知られたハイキングコースにもなっています。

 

この世界遺産のセンメリング鉄道は、1998年に世界遺産に登録されました。

このアルプスの自然と技術が反発しないように、むしろお互いが協力して美しいハーモニーを生み出していることが高く評価されました。

通常の線路の幅1435mmで、ある意味ではヨーロッパの最初の山岳鉄道であるわけです。

このセンメリング鉄道の成り立ちも重要ですが、ここはやっぱり景色も楽しみたいですね。

 

そのようなことを踏まえて、改めてこの区間を鉄道で走ると、とても素敵な鉄道に乗っているんだなと実感できます。

 

GloggnitzからSemmeringまでは今はたいていPayerbach-Reichnauという駅で乗換が必要になりますが、Payerbach-ReichnauからSemmering駅までは約30分で乗り換え

なしで行けます。

 

 

 

 

 

 

 

 

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