センメリング鉄道区間の直線距離は21kmですが、電車は地形を利用して回り道しながら
約41kmと倍の長さを走って行きます。
全部で14のトンネルと16の高架橋があり、2階建て構造をしているものもあります。
橋は100以上あり、区間の半分が直線で、半分がカーブです。
トンネルや高架橋の建設には20.000人が働いたと言われ、その中の1/3は女性でした。
工事完成まで6年しかかかっていませんので、いかにしっかりオルガナイズされていたことがわかり、当時の技術レベルからして大変な功績です。
工事中には89人が事故で命を落としています。
また作業員にはコレラなどの病気も蔓延したそうです。
全区間の約60%は20%の勾配で、最大勾配は28%です。
Gloggnitzの標高439mが最低で、Semmering駅の標高896mが最高地点なので
標高差は457mあります。
上の写真は2枚共、Semmering駅で見られるものです。この大プロジェクトのエンジニアであるCarl Ritter von Ghegaの記念碑があり、またオーストリア国鉄の車両もその右側に展示されています。
ここは駅の言ってみれば構内にあたるのですが、世界遺産であるこのセンメリング鉄道の
一番標高が高い、そしてこの鉄道の名にもなっているこのSemmering駅に記念の空間が
作られています。
こちらはsemmering駅に見られる
標高表示です。
世界遺産のセンメリング鉄道 1で紹介したプレートや上で紹介した記念碑などは全てこのSemmering駅で見ることができますので、これを見たい方はこの駅で降りるといいでしょう。
しかし、一般的なガイドブックなどで紹介されている印象的な2重の橋は
ここでは見ることができません。
次回はセンメリング鉄道の最終回で、いよいよあの有名な高架橋が登場します。