ウィーンのドナウ河にある閘門 1, ウィーンのドナウ河にある閘門 2, とドナウ河の閘門について書きましたが、今回が最後です。
このFreudenau 閘門は右の写真に見られるように2箇所並んで平行に設置されており、上下船どちらも使用することができます。
ここでいわゆる水門によって水量を
調節し、水位を変えるわけです。
この写真は水位調節が終わって閘門を出た後、後方に向かって撮影したもので、2箇所あることが分かり易いのでここに掲載しました。
ひとつの閘門の長さは275m,幅は24mあります。この長さは実際に使用できる長さです。
上に突き出た部分がありますが、コントロールタワーです。
実際に船が停止し、水位を調節する空間を閘室・・・・ドイツ語ではSchleusekammer (シュロイゼカンマー)と呼ばれ、この空間ひとつにはここFreudenauの場合、
80.000 m³以上の水が入ります。
この量は豪華な浴槽30万個分の水量になるということです。
しかも、この閘門に満たされる水量1回分で、独身1世帯の年間電力を生産できます。
これもいかにドナウ河の水量があり、流れが強いかということがわかります。
上の2枚の写真は、閘門に入った状態です。前回に紹介した高速船も並んで待っています。
この時、ウィーンからドナウ河を下っているので、この閘室はこの場合、上流側の水位になっています。船が入ったら上流側の水門を閉めて、下流側から水を流し、閘室の水位を下げます。
つまりこの2枚の写真では水位がどんどん下がっている状態です。
この閘室での水位は13mの高さまで水が入りますからかなりの落差がありますね。
水位が規定まで下がると、下流側の水門が開けられて、船は先に進めます。
このFreudenauの場合は船が閘室に入ってから、船が停止し、水位が調節されて船が動くまで35分ぐらいかかっています。
写真ではわかりませんが、閘門の水門は、上流からの水圧に負けないように、上流に向かって山形に作られています。
このウィーンのドナウ河Freudenauでは、大きなクルーズ船や作業船から観光船まで
年間13.000の船が行き来しています。
ということは、年間で閘門ひとつが最低6.000回動くことになるわけです。
何気なく見ていた発電所ですが、大変な仕事をしていたんですね。
参考までにこの電力会社Verbundのページです。
ここでFreudenau発電所全体の姿が見られます。
http://www.verbund.com/tm/de/freudenau