ウィーンには様々な教会が建っています。どれも個性がありながらも、キリスト教の伝統に
沿って共通性を見い出すことができます。このコーナーでも時間を見つけて色々な教会について書いていますが、今回は全くタイプが違う教会です。
こちらはDonaucity Kirche
"Christus,Hoffnung der Welt"
(ドナウシティー教会、
キリスト、世界の希望)という教会です。
十字架がなければ全く教会には見えません。でもこの教会はローマカトリックです。
この地域はウィーンのドナウ河を渡った22区に位置し、国連都市を
始め、ウィーン市が意図的にモダンな高層建築を多く建てている所で、荘厳な古典建築が建ち並ぶ中心部とは全く違った街並み
を見ることができます。
ここ20年ぐらいの間にこの地域には次々とビルが建てられています。
この写真の背景には国連都市が見えています。
1990年代、この地域に教会を建てようということが決まり、6人の知られたオーストリア人の建築家からコンペが行われ、1939年インスブルックで生まれたHeinz Teaserが選ばれ、
1999年5月から建築が始まり、翌年2000年11月26日に奉納されました。
外観はクロム鋼が使われています。
内部空間は外から見ているよりも
かなり広く感じられ、非常に明るくなっています。
素材は白樺が使用されていて、
非常に温かい感じがします。
椅子も丸くなっています。
外からの光も、壁の多くの丸い窓や四角い窓、天井からと3か所から入り、なるべく多くの太陽の光を取り入れ、より明るくそして落ち着いた雰囲気になるように考えられています。
いわゆる祭壇の十字架の交差する場所にも写真で見るとわかりますが、小さな窓が開けられています。
教会の地下にも多目的な空間が作られています。
高層建築が多いウィーンらしくない街並みのこの地域には、非常に溶け込んだ教会であると
言えます。