ウィーンの王宮は非常に複雑で、様々な時代を反映する建築様式から成り立っています。
ヨーロッパで一番長く続いたハプスブルグ王朝の居城であり、神聖ローマ帝国の皇帝の
居城でもあった王宮は、単独で世界遺産に登録されているシェーンブルン宮殿よりも
長い歴史を持っています。
王宮(Hofburg)は博物館、政治関係、住居などと多目的でもあります。
その中で一般的にはあまり見学しませんが、内容は大変充実した博物館として古楽器博物館 (Sammlung alter Musikinstrumente)があります。
古楽器博物館の入口は、王宮の英雄広場に面した新王宮にあります。
この写真に見られる新王宮の1階真ん中に見えるアーチが入口です。
入ると奥が国立図書館ですが、右側の階段を少し上がった所に入口があり、そこに係りがいるショップも兼ねたチケット売り場があります。
美しい建築を楽しみながら、階段を日本で言う3階まで上がっていくと、大理石ギャラリーがあり、英雄広場と反対側に入口があります。
ちなみにここに以前紹介したエレベーターに見えないエレベーターがあります。
部屋は大きく10室あり、ルネッサンス時代から現代に至るまで年代順に並べられていて、
ハプスブルグ家の皇帝の時代や有名な作曲家の時代と共に時代背景がわかる展示になっています。ハプスブルグ家のことを知らなくても、ハイドン、モーツァルト、ベートーヴェン、シューベルト、ショパンなどを知っているだけでも十分楽しめます。
リュート、弦楽器、チェンバロ、クラヴィコード、木管楽器、金管楽器、オルガン・・・
また、チロルのフェルディナント2世大公の世にも珍しい楽器シリーズも重要です。
また鍵盤楽器のメカニズムなどを直接触って知ることができ、オーディオガイドでは音をちゃんと聞かせてくれます。
そして言われある楽器もかなり多く展示されています。
ウィーンは音楽の都・・・ハプスブルグ家の中にも多くの音楽家がいました。
マリア・テレジアですら音楽にも詳しかったわけです。
古楽器博物館は王宮の中心にありながらも、中心の人混みを忘れさせてくれる静かな博物館で、いつも人がほとんどいません。
ちなみにこの奥には宮廷狩猟・武器鎧博物館があり、その空間にはSäulenhalleという美しい空間があります。
博物館のオープン時間は水曜日~日曜日 10:00~18:00,エフェソス博物館、宮廷狩猟・武器鎧博物館も
そのままの共通券で入ることができます。