今日4月5日は復活祭です。
宗教的には年間を通して一番重要なお祭りです。
しかし生活の中ではクリスマスが年間で一番重要な行事です。
復活祭らしい晴天のいい天気ですが、朝の気温は2℃前後とかなり冷え込んでいます。
ドイツ語で復活祭は"OSTERN"(オステルン)と言います。
イエス・キリストの復活を祝うことから日本語では"復活祭"と訳されていますが,厳密には
正しい訳ではありません。
キリスト復活はドイツ語ではAuferstehung (アウフエアシュテーウング)という言葉が使われます。
このOSTERNは移動祝日で、今年2015年の復活祭は今日4月5日の日曜日です。
キリストが復活したのが日曜日ですから、復活祭は必ず日曜日になります。
カトリックでは春分の日を3月21日と固定していて、復活祭は「春分の日を過ぎて、最初の満月を迎えた後の最初の日曜日」と決められています。
もし最初の満月が日曜日である場合は、その次の日曜日が復活祭で、
春分の日当日が満月で、なおかつ日曜日である場合は、次の満月に続く日曜日です。
そのためカトリックでは3月22日~4月25日に復活祭がやって来ます。去年はかなり遅く、
4月20日が復活祭でした。
復活祭が決まって、そこから日曜日を除いて40日間を遡ると、灰の水曜日です。
その前日の火曜日がFasching(謝肉祭)の頂点で、次の日の灰の水曜日から
Fastenzeit(四旬節)という、イエス・キリストが磔になり、その後復活する前日までの
厳粛な時が始まります。
復活祭前の週を、Karwoche (カルヴォッヘ)と呼ばれ、受難週です。
特に木曜日から土曜日までをそれぞれ、Gründonnerstag、Karfreitag,Karsamstagと呼ばれています。
Gründonnerstag(緑の木曜日)が最後の晩餐の日です。
ちなみに東方正教会はユリウス暦なので、カトリックのグレゴリオ暦と比べると
13日のずれがあるため、復活祭は4月4日~5月8日になります。
これは325年のニケーアの公会議で定められた設定基準です。
御興味があれば以下も参照して下さい。
英語とドイツ語以外のヨーロッパ諸言語における「復活祭」という言葉は、
全てギリシャ語の「パスハ(Πάσχα)」に由来していて、その言葉も元を辿れば
アラム語の「パスハ(pascha)」で、これはユダヤ教の「過ぎ越しの祭り」を表す
「ぺサハ」(PESACH)」というヘブライ語から来ています。
つまり、キリスト教の復活祭がユダヤ教の「過ぎ越しの祭り」から派生した祝い日であることを示しています。
ドイツ語で「OSTERN」は英語で「Easter/イースター」・・・これはゲルマン神話の
春の女神(あけぼのの女神)「エオストレ(Eostre)」の名前、あるいはゲルマン人の
用いた春の月名「エオストレモナート(Eostremonat)」に由来していると
言われています。
8世紀にはゲルマン人が「エオストレモナート」に春の到来を祝う祭りを行っていたことの
記録があります。
実際、復活祭の習慣の中には、このゲルマン人の祭りに由来すると思われるものも
あります。
復活祭もクリスマスの習慣と同じように、古来からの習慣が混ざり合って現在の習慣になっていったということです。
実際に生活をしていると、教会以外ではあまりイエス・キリストが復活したということを
祝う雰囲気はなく、むしろ春の訪れを祝っている・・・という空気が感じられます。