ザルツブルクのペーター修道院の教会

ザルツブルクはモーツァルトが生まれた街として世界的に知られていますが、この街は早くからヨーロッパの宗教的中心地となっていました。

そのためこの狭い旧市街にたくさんの教会があるわけですが、その中で今日は歴史あるペーター修道院の教会について少し書きたいと思います。

 

ザルツブルクの旧市街地に入るのにザルツァッハ川を渡って行くのが一般的ですが、旧市街地に入ってもこの修道院はすぐに見ることができません。

メンヒスベルクのふもとにあって、ちょっと奥の方にあるからです。

この修道院は696年にウォルムスの司教ルペルトによって南東アルプスの布教活動の一環として建てられました。

ちなみにウィーンにはルペルト教会という古い教会があります。

おそらくローマ時代後期ぐらいからここには宗教的施設があり、ルペルトはそれを新しくしたとも言われています。

このベネディクト派の修道院はドイツ語圏では最古の修道院ということです。

その付属教会はこのペーター修道会の中庭に入るとハッキリ見ることができます。

この場所には修道院がここにできた時ぐらいからの修道院教会があり、それが壊されてBalderich修道院長によって1125~1143年にロマネスク様式で建築され、1147年に奉納されました。

写真に見られる教会の塔は典型的なオーストリアによく見られる"セイヨウ玉ねぎ"とか"セイヨウかぼちゃ"とか言われているスタイルで、古い部分は9世紀です。

 

一般の古い歴史を持つ教会によくあるように、古い時代から現在に至るまで、時代に合ったスタイルで何回も改築されています

 

教会の塔の下の部分や教会入口部分にはロマネスク様式をみることができます。

その後ゴシック化され、そして17世紀の初頭にルネッサンス様式に改築されています。

 

Seeauer 修道院長の時代の1756年に現在の塔の姿になっています。

モーツァルトがこの街で生まれる年ですね。

 

 

この教会の内部は外観からは想像できないとても美しい空間です。

 

1760~1766年に内部は豊かな

ロココ様式に変えられました。その時同時に天井画も書かれています。

しかし、当時の古い教会構造であるバシリカ様式は今でもハッキリと

見ることができます。

 

主祭壇はMartin Johann Schmidt

(通称Kremser-Schmidt・・・

    クレムサー・シュミット)

によるもので、ペテロ、パウロ、

ベネディクトが聖母マリアにとりなしの祈りを捧げているシーンで、その上の小さい絵は、神と精霊が表されています。

 

右側の側廊にはルペルト祭壇画あり、そこに聖人ルペルトのお墓があります。

 

カトリック教会はバロック時代にはよく教会がバロック化されていますので、バロック様式の内部空間は決して珍しいものではありません。

 

 

 

でもこのペーター修道院の教会は外観とは全く違う印象を与える優雅な教会内部を見ることができます。ザルツブルクに行ったら絶対に旧市街地を中心に観光すると思いますので、絶対に見逃して欲しくない教会です。

 

 

 

 

 

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