美術史博物館のクリムト 1

ウィーンには質から言ってヨーロッパ3大美術館のひとつに数えられる美術史博物館があります。

そこは15世紀~18世紀に限った絵画史上とても重要な作品だけが見られ、絵画に興味があれば、真っ先に行きたい美術館です。

このコーナーでも、美術史博物館自体や、そこのいくつかの作品などもテーマに取り上げていますので、"絵画と彫刻" を参照して下さい。

 

その美術史博物館にクリムトの絵があります。

彼の作品として展示されているわけではなく、彼がカンパニー時代に仲間とこの美術館の内装として手掛けた壁画を見ることができます。

 

絵画コーナーに行くために、吹き抜けの大階段ホールを上がって行きます。

途中印象的なテセウス像があり、そこから向きを変えて、さらに上に上って行きます。

その時に正方形吹き抜け空間にそれぞれの辺に3つ、計12個のアーチが見られますが、そのアーチのすぐ上に注目です!

 

 

こちらは"ローマとヴェネツィアのクワトロチェント"です。向かって左の女性がエクレシアです。

Ecclesia(エクレシア)は、古代ギリシャでは人々の集まりという意味で使われ、そこから転じて信者の集まりを意味し、中世の頃には教会やキリスト教を象徴します。彼女は十字架を持っています。

 

右の人物はLeonardo Loredan(レオナルド・ロレダン 1436~1521)で、ヴェネツィアの総督です。この人物像は、ヴェネツィア派の創始者とも言われるジョバンニ・ベリーニが1501年に描いた彼の肖像画を思い起こさせます。

 

ローマはローマ教皇がいるローマカトリックの総本山、そのローマに対して色彩が豊かな芸術風景のヴェネツィアがここではテーマになっています。

 

 こちらは"古代ギリシャ"です。古代ギリシャの

クラッシック時代は紀元前5世紀が全盛期です。

 

ここで描写されているのは古代ギリシャアテナイの

アクロポリスの上に建設された、アテナイの守護神でギリシャ神話の女神アテナを祭るパルテノン神殿に置かれたアテナ像です。

アテナは智恵と戦争芸術を司る女神です。

左の女性がAthena Promachos(アテナ・プロマコス)、右の立像女性がAthena Parthenos(アテナ・パルテノス)です。

これは両方共Phidas (ペイディアス・・紀元前5世紀終わり)というパルテノン神殿建設の総監督を務めたとされる人物が製作したもので、現在では大理石のコピーしか残されていません。

 

クリムトは自らの作品にもこの古代ギリシャスタイルをよく用いています。

 

美術史博物館のクリムト2に続きます。

 

 

 

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