オーストリアはハプスブルグ家がほぼカトリックを守ってきたので、現在でも国内では
ローマカトリックが圧倒的な割合を持っています。
ローマカトリックはキリスト教の中では最もボリュームがある宗派です。
キリスト教はヨーロッパ文化を見る上では非常に重要で、キリスト教に少しでも精通するとヨーロッパの街はよりおもしろく見えてきます。
カトリックには様々な聖人が登場し、イエスキリストや聖母マリアを盛り上げています。
その聖人の中でこちらの4大女性守護聖人のひとりに入る人気のある聖人バルバラ・・・
St.Barbaraについてちょっと触れてみます。
バルバラは伝説によると3世紀の終わり、小アジア(現在のトルコ)のニコメディアに生きていたとされ、
バルバラは若いキリスト教徒達を訪問し、迫害時代にもかかわらずひそかに知り合いになり、自分もクリスチャンになろうと思ったようです。
非キリスト教徒の父が、この美しい娘を外の男たちから遠ざけるために塔を建設し、そこに彼女を閉じ込めてしまいました。
実際はキリスト教迫害時代だったので、絶望した父が娘をキリスト教から遠ざけるために閉じ込めた・・・
ともされています。
父が拷問などをしてキリスト教信仰を変えさせようとしますが、彼女の意思はますます強くなり、また、バルバラが塔に3つ目の窓を取りつけさせたことで、(三位一体)父が激怒し、娘を殺そうとします。
その時奇跡的に岩が2つの裂けてバルバラは逃げることができました。
バルバラの居場所は羊飼いによって密告されますが、その羊飼いは神から石に(別の伝説ではコガネムシ)、羊はイナゴに変えられてしまいます。
娘を発見した父は、彼女を殴り、ローマ総督に連れて行き死刑の判決を受けます。
その後拷問などを受けますが、その夜キリストが現れ、彼女の傷を癒します。
さらに腹を立てた総督は、公衆の前で彼女を棍棒で殴り、胸を引き裂き、松明で拷問します。死の直前に彼女は祈り、天使が現れ、彼女を雪のような白い衣で包みました。
最後は残酷な父が娘の首を自らはねることになります。
その後すぐに父は雷に打たれて死ぬことになるわけです。
そこでバルバラの絵や像などには
塔や剣がよく描写されるわけです。
バルバラの日は12月4日で、彼女は
14救護聖人の1人に数えられ、様々な分野からの守護聖人として崇められています。
救護聖人とは危急の際に名前を呼んだらそのピンチを救ってくれるという聖人です。
その中のひとつに鉱山で働く工夫さん達の安全を守る守護聖人でもあるわけです。
そこでウィーンの森にある有名な地底湖"ゼーグロッテ"にはバルバラ礼拝堂があり、
当時の石膏鉱山時代から今でもこの鉱山の安全を守っています。