楽友協会のブラームスザール

音楽の都であるウィーンの街では、至る所で演奏会が楽しめます。

国立オペラ座、楽友協会、コンツェルトハウス、国民歌劇場といったオペラや演奏会が毎日のように楽しめる重要なホールを始め、様々な教会音楽や観光向けの宮殿コンサートまで

バリエーションが多彩です。時として、音大生の発表会的なローカルな演奏会や、卒業演奏会などにも出会えます。

 

"音響"ということで世界的に有名な楽友協会ホールはここ数年多くの方がガイドツアーにも

参加するようになり、せめてホールだけにでも入ってみたいという方が多くなりました。

 

このコーナーでも"ウィーン楽友協会ホール", "楽友協会地下にある4つのホール",

"楽友協会ホールのパイプオルガン", "楽友協会ホールの女像柱"などについていくつか取り上げています。

 

今回は小ホールであるブラームスザールについて少し書きたいと思います。

 

楽友協会自体は1812年に、当時演奏会がまだまだ一般に普及していなかったため、より多くの演奏会を一般に提供しようという目的、専門的な音学家教育機関、

そして重要な資料を管理する目的を持って設立されました。

 

当初はTuchlaubenという今とは違う場所にありましたが、1870年のリンク道路沿いの建築ラッシュ時代に、この現在の場所に新しく移り、

テオフィル・ハンセンという有名な建築家によってこの建物が作られました。

 

そこにはいわゆる黄金の間と言われる大ホールとこの小ホールも作られました。

当初は小ホールと呼ばれていたこのホールでブラームスの提唱によりクララ・シューマンが最初のコンサートを行いました。

 

当初は舞台は真ん中にあったため、2階席が1階を囲むように作られています。

後に音響上の理由から舞台が正面奥に移されることになります。

 


 

ホールの建築様式はギリシャ=ルネッサンスという様式で細長く作られています。

黄金の間にも見られるカリアチュード(女像柱)、イオニア式の柱、ギリシャ神殿風切妻などを見ることができます。

 

1937年のこの楽友協会創立125周年記念の年に、Brahms Saal (ブラームスザール)と名前に変えられました。

ブラームス自身、ここで多くの初演を行い、またここでも仕事をしていました。

 

このホールの座席数は約600、長さ32.50m、幅10.30m、高さ11mです。

大ホールの黄金の間と比較すると結構おもしろいですね。

 

 

 

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