スグラフィット装飾

ウィーンを始め、オーストリア(ヨーロッパ)にはありとあらゆる時代様式の建物があり、そのような美しい装飾がある建物が"街"の雰囲気を演出しているわけですから、街中を歩くだけで楽しいものです。

 

色々な様式が見られる中で、この装飾スタイルはウィーンの街中ではほとんど見ることができないもの・・・それがスグラフィット装飾です。

 

スグラフィットはイタリア語のsgraffiare・・・ドイツ語ではkratzen (ひっかく)から由来し、壁などに見られる装飾技法の名称です。

 

右の写真に見られるように、壁にまるで刻まれたような装飾模様が特徴で、平面に描かれているわけではありません。

 

16世紀のルネッサンス時代にイタリア、ボヘミア地方で特に好まれて用いられた装飾スタイルです。ルネッサンス時代にこのスグラフィットがイタリアで流行っている時に、ルネッサンス時代建築の親方などによってこのオーストリアや現在のドイツにもたらされ、驚きと感動をもって受け入れられました。

 

スグラフィットは対照的な色の漆喰を2層で塗ります。

1層目は、鉄分や木炭などを含んだ黒とか赤などの漆喰で、その上の2層目は白の漆喰を塗り、その2層目の表面を引っ掻き落とし、1層目の濃い色が現れて模様や絵ができるというものです。

このタイプの素朴な技法はすでに13世紀ぐらいから現在のドイツにあったことが確認されています。

 

 

 

 

 

 

 

右の写真を見て下さい。

これはスグラフィット模様を近くで見たものです。

 

1層目が削られていて、2層目の濃い部分が1層目に下に見えていますね。

 

スグラフィット装飾が施された壁は遠くから見るとまるで描いてあるように見え、建物に美しいアクセントを与えます。

 

今日ここで取り上げた3枚の写真のスグラフィット装飾は、ヴァッハウ渓谷の有名な街

デュルンシュタインで見ることができます。

 

 

 

 

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