ウィーンの王宮(Hofburg)は様々な建築様式から成り立っていて非常に複雑です。
そこには多くの見所が存在しますが、王宮での博物館というと経験上、エリザベート博物館や皇帝の部屋に行かれる方が多いと思います。
でも時間があれば是非宝物館(Schatzkammer)にも足を延ばしてみて下さい。
ここには歴史的に大変貴重な物や興味深いものがたくさん展示されています。
この宝物館の歴史的貴重な物として最近、オーストリア帝国帝冠や神聖ローマ帝国の帝冠
なども紹介しました。
今回は王冠ではなくエメラルドです。
こちらのエメラルドは2680カラットという大変巨大な物で,高さ10.9cm,長さ8.5cmという大きさです。
これはいわゆる器であり、極力エメラルドが無駄にならないように原石の形を生かして製作されたので、形がちょっと独特です。
この器の蓋の部分も、この器からくり抜いてカットされたもので、金七宝細工細工が施されています。
このエメラルドは皇帝ルドルフ2世がコロンビアのムーゾ鉱山から入手したとされていて、1641年にプラハで製作されました。
この巨大なエメラルドは宝物館のこの空間の中央に、単独でガラスケースの中に入って展示されています。
ハプスブルグ家はヨーロッパで一番長く続いた王朝で、そのハプスブルグ家の頭上に
ほぼ神聖ローマ帝国の皇帝やローマ王の称号があった・・・その彼らの都はウィーンが中心だったので、ウィーンにはこの宝物館に限らず、歴史的重要な様々な物を見ることができるわけです。