グラーベンのペスト記念柱

ウィーン旧市街にはケルントナー通り、グラーベン、コールマルクトという3大歩行者天国があります。

 

たいていのガイドブックではケルントナー通りが一番の目抜き通りとして紹介さいれていますが、美しさから言えばGraben (グラーベン)が一番です。

 

もともとGrabenは、ローマ時代の堀があった場所が、バーベンベルク時代12世紀の終わりに埋められ、現在の通りとなったわけです。

 

この美しい細長い広場のようなGrabenの象徴的なものは何と言ってもペスト記念柱です。

 

ペストは伝染病で、かつては高い致死率で、皮膚が黒くなって死亡することから黒死病と呼ばれています。

 

元々ネズミに流行する伝染病で、その感染したネズミの血を吸ったノミが、人間の血を吸う時に感染し、ヨーロッパでは14世紀から100年に一回ぐらいは流行していました。

 

そんなペストが早く終息して欲しい・・・ペストが終息してありがとう・・・とういう意味を持ったペスト記念柱が

ヨーロッパの色々な街で見られます。

 

そのペスト記念柱でも、このウィーンのGrabenの記念柱はひときわ芸術的です。


 

このペスト記念柱はウィーンに1679年ペストが猛威を振るい、その終息を記念して、マリア・テレジアの祖父である当時の皇帝レオポルド1世によって立てられました。

 

当時は暫定的に木で作られた記念柱でしたが、その後1683年に大理石にするというプランが出され、フィッシャー・フォン・エアラッハ等を始め色々な人が関わり、最終的に当初の木製の物から14年間かかった1693年にこの現在の姿になりました。

バロック様式の素晴らしい統一性を見ることができます。

 

上の左の写真は、皇帝レオポルド1世がひざまずき、神に敬意と感謝を表しています。

上の右の写真は記念柱の最上部に見られる、神様、イエス・キリスト、鳩の3つで、これは父・子・精霊の三位一体です。

 

ペスト記念柱の下3か所の角には、双頭の鷲の神聖ローマ帝国、ハンガリー、ボヘミアのワッペンを見ることができます。

 

ローマ・カトリック教会ではペストの守護聖人として4人が有名で、通常のペスト記念柱にはたいてい少なくともその内1人は登場するものですが、このグラーベンの記念柱にはペストの守護神は誰もいません。

代わりにレオポルド1世が登場しているわけです。

その下には天使が老婆を突き落としているシーンが見られ、この老婆がペストを表します。

 

 

 

 

 

 

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