教会にはパイプオルガンがつきものですね。街中を歩いている時、偶然通りかかった教会の
中に入ってみたら、厳かなパイプオルガンが聞こえた・・・なんて経験をした方もきっと
いらっしゃるでしょう。
このウィーンこぼれ話でも、ハイリゲンクロイツ修道院のパイプオルガンや
楽友協会ホール黄金の間にあるパイプオルガンを紹介していますが、今日はウィーン最古のパイプオルガンについて少し書きたいと思います。
このWöckherl - Orgel (ヴェッケルル オルガン)は、1643年にこのオルガン🎹 の名称にもなっている、
ウィーンのオルガン製造業者の
Johann Wöckherl(1594-1660)に
よって製作されたもので、現在弾くことができるオルガンとしては、ウィーン
最古のオルガンです。
このオルガンはウィーンのフランシスコ修道会が所有しているもので、
1642年7月14日に販売契約が結ばれています。
18世紀には、このWöckherl-Orgelの前に主祭壇が置かれていましたので、隠れてしまい、教会内部からも
見えない状態でした。
そのため、宗教的行事や演奏会では当時の新しいオルガンが教会上部に設置され、それが使用されていました。
それが幸いして、このWöckherl-Orgelは、オルガンが収まっている箱も含めてほぼ当時のオリジナルの状態を保っています。
2009年3月からちょっとした修復と調整が行われ、その後2011年3月から再び演奏されています。
このWöckherl-Orgelは
1.272本の鉄と木のパイプ、
20のレジスターを所有して
います。
祭壇のように宗教的な絵が
描かれた扉を開いたままだけでなく、閉じてる状態でも
演奏することができます。
このWöckherl-Orgelは
フランシスコ会の教会の中ではなく、修道会の建物の
一角にあるMönchs-Cohrに置かれていて、簡単に立ち入ることができません。
そのためこのオルガンを見るのは結構難しいかもしれません。