世界一音響がいいホールのひとつで、ウィーンフィルのニューイヤーコンサートと言えばウィーン楽友協会ホールですね。
以前にも楽友協会の4つの地下ホール、楽友協会ホールのパイプオルガンなどをこのコーナーでも紹介しています。
楽友協会ホール自体がギリシャ神殿スタイルをベースに建築されているので、建物内部やホールにもその要素が見られます。その要素のひとつである女像柱です。
楽友教会の黄金の間に入ると、金の長方形的空間、パイプオルガン、天井の絵やアーチ構造の窓などが素晴らしい空間を演出していますが、このホールの周りにたくさんある女像柱もとても印象的です。
この女性の柱のことをドイツ語で Karyatide、日本語ではカリアティードと呼ばれ、ギリシャの古代スパルタの街Karyai(カリュアイ・・・ペロポネソス半島)出身の女性ということに由来し、そこにはアルテミス・カリュアティスとしての女神アルテミスを祭った神殿がありました。カリュアティスは"カリュアイの乙女"と言う意味なので、"カリュアイの乙女 アルテミス"ということですね。
アルテミスはギリシャ神話に登場する狩猟や月の女神です。
カリアティードは柱の役目を果たす立像です。
紀元前6世紀頃には登場しましたが、女人柱としてはもっと古いものもあるようです。
近世ルネッサンス以降には多く登場し始め、建物の装飾、暖炉などの装飾に使われました。
古代ギリシャ時代とは違う用途だったんですね。
その後のバロック、新古典主義時代にもよく登場しました。
この楽友協会黄金の間には左右それぞれ16体、計32体のカリアティードが見られ、
上部パイプオルガンにもさらに4体見ることができます。