先日マリア信仰について書きましたが、今日12月8日は"Maria Empfängnis" (マリア・エンプフェングニス)というカトリックの休日です。マリア・迎える・・・というこの
ドイツ語の表現から、マリアがイエスを授かった・・・つまり受胎告知の日だと思われている方がまだまだ多いですが、受胎告知とは全く違う祝日です。
Maira Empfänginis ・・・マリア・迎える・・・これは聖母マリア自身が穢れなくこの
世に宿されたことを祝うもので、日本語では"無原罪の御宿り"とか"無原罪懐胎"と呼ばれています。
マリアが宿されたのは、マリアのお母さんであるアンナです。
なのでむしろこのこの祝日はアンナにも関係するわけです。
マリア誕生以前の話として、
ナザレの街にヨアキムという、
イスラエルの血を引く裕福な人物がいました。この人物こそが後に
マリアの父親となります。
アンナと結婚して20年にもなるのに子供がいなかったという大きな悩みがありました。
ある祝日の日、信仰深い彼は神殿に捧げものを持参したら、祭司に
子供がいない理由で拒否されてしまいます。その理由は子のいない者は神の民を増やせないので資格がないということでした。
彼は絶望し、また一方アンナも
同じ悩みを持ち、悲しみに暮れていました。ある日、突然天使がアンナのもとに現れ、"神はあなた達の願いを聞き取って下さった。しかも世界中に知られることになる人を身ごもるのです" というお告げがあり、
その9か月後に高齢のアンナは無事に出産し、「マリア」と名付けられました。
この無原罪の御宿りのお祭りは、10世紀ぐらいから存在していました。
1477年にローマ教皇SixtusIV世がローマに導入し、1708年にはClemens XI世 によって
カトリック全体的に規定され、1854年PiusIX世がこの教義を公認します。
ちなみにマリア誕生はこの12月8日のMaira Empfängnisから9ヶ月後の9月8日で、
受胎告知は3月25日となっています。
この写真は以前ここで紹介したウィーンアンナ教会の天井フレスコ画でダニエル・グランによるもので、アンナを表しています。