ウィーンのシェーンブルン宮殿はオーストリアで最も観光の皆さんが訪れるスポットで、初めてウィーンに来る方は絶対と言っていいほど
ここを訪れると思います。
このシェーンブルン宮殿は宮殿内部見学を始め、美しい庭園、動物園など様々な見所があり、ここだけで
余裕で1日過ごせます。
さて、そのシェーンブルン宮殿に普通ではまず気付くことがないSchloßkapelle
(シュロスカペレ)という礼拝堂があります。
この礼拝堂はシェーンブルン宮殿内に
組み込まれていて、外からはまず見ることができませんし、まして礼拝堂があるとも気づきません。
宮殿正面に向かって、左右対称に前方に
せり出している部分の、左側にあります。
この礼拝堂は、シェーンブルン宮殿が
ほぼ現在の姿になる1700年頃、
フィッシャー・フォン・エアラッハによって作られました。マリア・テレジア女帝の祖父レオポルド1世の時代です。
その後マリア・テレジアがシェーンブルン宮殿を改築する際に、同時にこの礼拝堂にも手を加えさせています。
1743年頃この礼拝堂はかなり質素だったようですが、マリア・テレジアがによって内部が立派になりました。
1745年4月29日にマリア・テレジア女帝や家族立会いの下、献堂されました。
この写真に見られるメイン祭壇は大理石で、おそらくニコラウス・パッカシのものとされていて、祭壇上部には三位一体を見ることができます。
祭壇画はメルク修道院でも活躍するパウル・トローガーによるもので、マリアの結婚が
描かれています。
ここは残念ながら常に開いているわけではありません。
基本的に毎週日曜日の10:00にミサが行われるので、その時に見ることができます。
このぐらいの規模の宮殿には、習慣的に必ずと言っていいほど礼拝堂や小さな教会が作られていますので、シェーンブルン宮殿に限ったことではありません。