ヴァッハウ渓谷入り口にあるメルク修道院は荘厳なバロック建築で、この辺りの風景とよくマッチしています。
すでに メルク修道院については何回かにわたって書いていますが、今年2014年は
このメルク修道院にあるとても貴重な「メルクの十字架・・・Melkerkreuz」を見ることができます。
このメルクの十字架はハプスブルグ家のルドルフ4世によって1363年に作られたもので、この十字架の中にはイエスが磔になったといわれる十字架の木片が収められています。
この木片はバーベンベルク王朝時代の3代目の君主アダルベルトによって1040年にもたらされたものということになっています。
左側の写真は素晴らしい宝石が十字架に施されていて、世俗権力を表し、
右側はその裏側で、真ん中にイエスが磔になっていて、その周りには4人の福音書記者(マタイ、マルコ、ルカ、ヨハネ)が見えます。
ここでは宗教的権力が表されています。
この貴重なメルクの十字架は普段は展示されていませんので、映像でしか紹介されていません。
しかし、このメルク修道院にとってとても重要な記念の年にはこのように特別に展示されます。
今年2014年は、バーベンベルク王朝の2代目君主ハインリヒ1世が、このメルクの街の守護聖人コロマンのまだ腐っていなかった遺体を、1014年10月13日にこの修道院に運び込んだ日の1000年記念の年というわけです。
このメルクの十字架は是非見て頂きたい貴重なものです!