メルク修道院の続きです。
メルク修道院 1、 メルク修道院 2, メルク修道院 3, メルク修道院 4 も御覧下さい。
螺旋階段を下りると、主祭壇と反対側の西側部分に入ることになります。
入ると進行方向奥には教会の出口らしきものが見えるので最初はえっ・・・
これが教会なの?・・・って思うのですが、左に広がる教会の空間を目にしたら
驚きと感動を覚え、時が一瞬止まります。
息を呑む素敵なバロック空間が広がっています。
写真の一番奥に見えるのが主祭壇です。
この写真ではあまりわかりませんが、修道院の教会部分にはドームがあります。
メルク修道院 1 に全体の写真を掲載していますので御覧下さい。
教会西側に2本の塔があり、その後ろにドームがありますね。
バロック様式の教会は星の数ほどある中で、このメルク修道院の教会は群を抜いています。
大理石の間、図書館とどれも素晴らしい空間でしたが、この教会はさらに次元が違う別世界といった感じです。
この修道院教会は、1702年から始まって最終的にThomas Pauer修道院長時代の1746年に奉納されました。
こちらは主祭壇です。
この主祭壇はGalli Bibienaによるもので、ザルツブルク産
大理石、金箔を施した木、とスタッコ装飾から成り立って
います。
中央にペテロとパウロの2人の聖人が共に手を取り合って
お互いの別れを表しています。
この2人は彼らの人生最後の戦いに向かいます。
その2人の頭上には勝利の大きな王冠がすでに準備されています。
王冠の上には父なる神が、祭壇の一番上には勝利のシンボル十字架が置かれています。
こちらはミヒャエルロットマイヤーによる素晴らしい天井フレスコ画です。
ロットマイヤーは最初に教会ドームのフレスコ画を1717年に手掛け、その後こちらの身廊のフレスコ画を1722年に完成させます。
ロットマイヤーは、 ウィーンのカールス教会の天井画や、ペータース教会の天井画も手掛けています。
これは、ベネディクトが亡くなって、天界に昇って行く場面が描かれています。
黒の衣装をまとったベネディクトがここでは3回登場し、左側から始まります。
ベネディクトが天使によって天界に向かって出発するシーンが一番左で、真ん中の部分は大きな素晴らしいじゅうたんを経由して天界に昇って行くベネディクト、精霊の鳩がシンボルとして登場し、一番右側では天界に入ったシーンが描かれています。
地上の現世界とは全く違った次元の世界がこの教会では演出されています。
この修道院付属教会では、通常昼12:00から15分間 "昼の祈り"というちょっとしたミサが行われます。その時には、パイプオルガンがこの荘厳な教会を豊かな音色で満たしてくれますので、この時間を見計らって教会に入ることをお勧めします。
教会を出ると、中庭を経由し、修道院のショップに入ります。
そこに以前も紹介した バートイシュルの時計を見ることができます。
ショップを出ると美しいアーチ構造の通路を通りながら、再び修道院の中庭に戻ります。