この眺めは、メルク修道院を見学しないと見ることができません。
ここに立つと改めてこの修道院が断崖の上に建てられていることがわかります。
修道院を真横から見るとわかりませんが、修道院の教会がある西側は、教会を挟むように、そしてまるで教会を守るかのように2つの回廊が崖っぷちまで伸び、それをバルコニーで結んだというヤコブ・プランタウアーの素晴らしいアイデアです。
おとぎ話のようなメルクの街並みが、真下に広がり、とても絵になります。
30歳ちょうどで修道院長に選ばれたディートマイヤーは時代の流れで、この修道院を現在の姿であるバロック様式にと改築させました。
このコンセプトに同調できる建築家を探し出し、オーストリアのチロル出身のヤコブ・プランタウアー(1660~1726)
を見つけ、彼が亡くなるまでひとりで現場監督を行い、バロック化されていきました。
この写真はバルコニーから見た印象的な教会の西側正面部分です。
この教会はペテロ・パウロ教会と呼ばれ、塔の間にイエス・キリストが十字架を持って立ち、その下にはペテロと
パウロが立っています。
このバルコニーからは、ドナウ河とメルク川も見ることができ、メルク川がドナウ河に注がれる手前にヴァッハウ渓谷の船着き場を見ることができます。
このバルコニーに立つと、時の流れを忘れさせます。