ウィーンの森は歴史的にも重要な観光スポットが点在していますが、通常ウィーンの街から半日観光でウィーンの森南方面に出かけることが多く、ハイリゲンクロイツ修道院、
マイヤーリンク、ゼーグロッテといった見どころを中心に回ります。
地元の皆さんや、ウィーン近郊ではなくもっと遠くに住んでいる地元オーストリア人の人達は、車でウィーンの森に来て、車を停めて、Wandern (ヴァンデルン)・・・いわゆる
ハイキング、森歩きをこの豊かな自然の中で楽しみます。
ハイキングをすると、必然的に整備されたハイキングコースを歩くので、
ウィーンの森に点在している街を見るということではなく、文字通り森の中、林の中を歩くわけですね。
ウィーンの森に新石器時代の跡も確認されていて、
ベートーヴェンも住んだMödling (メードリンク)という街が、先日紹介した
リヒテンシュタイン城に近い所にあります。
この街から上の方に見える廃墟のお城があります。
これがそのBurg Mödling (Burgruine Mödling)という
メードリンクの廃墟のお城です。
この廃墟のお城は、Föhrenberge (フェーレンベルゲ)という
ウィーンの森南側に広がる
約6.500ヘクタールの自然公園に指定されている一角にあります。
フェーレンベルゲという名称は、オーストリアクロマツがこの地域に多く生えてることから(Föhren・・・ マツ)来ています。
このフェーレンベルゲの周りには、MariaEnzersdorf,Hinterbrühl,Mödling,Gaaden,Gumpoldskirchenといった
街があります。
記録では10世紀頭、903年として残されています。
メードリンクの廃墟のお城は、バーベンベルク王朝時代ウィーンに宮廷を移した
ハインリヒ2世の息子のひとりである、Heinlich de Medlich によって12世紀半ばに
作られました。
当時オーストリアでは175m x 80mと一番大きなロマネスク様式のお城でした。
16世紀からは荒れ始め、最終的に18世紀終わりには壊され、その後1808年からは
リヒテンシュタインの所有となり、一部再建されますが、その40年後にはもう廃墟と
なってしまいます。
こちらはその廃墟の城
メードリンク城の内部です。
ローマ時代を思い起こさせる
アーチの窓が残されています。
この写真では見られませんが、
反対側の方には、12,13世紀の
部分が少し残されています。
ここからの眺めはとても素晴らしいものがあります。
もしウィーンに何日が滞在することができれば、十分行ってみる価値があると思います。