今日はいきなりインスブルックで、インスブルックに行けば誰もが見る
「黄金の小屋根」について書きたいと思います。
インスブルックは私の大好きなチロル州の州都ですが、ウィーンから高速道路で476km
離れた所にある、アルプス地方では最も人口が多い有名な歴史ある古都です。
ウィーンからはかなり離れていますね。
これはインスブルックのメイン通りHerzog-Friedrichstraßeです。
この突き当り奥にインスブルックの
シンボルである有名な黄金の小屋根が
見えています。
その背後にはアルプスのKarwendelが
見え、その一角のHafelekar(2334m)の手前まで、Nordkettenbahnで手軽に登って行くことができます。
チロルは1363年からハプスブルグ家の所有となります。
この黄金の小屋根 (Goldenes Dachl)がある建物はneuer Hofと呼ばれ、
この中に1420~およそ1460年までの40年間、ハプスブルグ家のチロル領主
"空ポケットフリードリッヒIV世"と
その息子Sigmundの居城が置かれていました。黄金の小屋根はその後に作られたものです。
この黄金の小屋根は、ハプスブルグ家の後の皇帝マクシミリアン1世の依頼によって、
Niclas Türing d.Ältere が1500年に
完成させています。
中に見えるフレスコ画は、
マクシミリアン1世の宮廷画家
Jörg Köldererによるものです。
全部で2657枚ある銅のこけらぶき屋根には、火による熱処理で金が塗られています。
観客席のような形になっていて、欄干にレリーフが施されています。
この写真のレリーフ真ん中2枚の左側は、マクシミリアン1世と、マリア、ビアンカの彼の2人の妃が描写され、
右側はマクシミリアン1世がまっすぐこちらを見つめています。
それ以外の4枚はカップルで踊る軽業師です。
2階の欄干レリーフは精妙に彫刻された紋章で飾られています。
左から順に
オーストリア、
ハンガリー、
神性ローマ帝国、
ドイツ王国、フィリップ美公、ミラノのスフォルツァ家が描写されています。
ここでは見えませんが、この欄干の左右張出部分にも紋章があり、
それぞれシュタイヤーマルクとチロルを表しています。
つまり計8枚です。
この黄金の小屋根は全体的にゴシック様式ですが、上部に行くに従ってルネッサンスの到来を示しているという興味深いものです。