今年2014年は今日が復活祭です。
通常の生活の中で、年間を通して一番重要な行事はクリスマスですが、
宗教的には復活祭が一番重要です。
イエス・キリストが復活したことを祝うことから「復活祭」と呼ばれていますが、
こちらドイツ語では「OSTERN」(オステルン)と言います。
このOSTERNが、イエス・キリストの復活を祝うことから日本語では復活祭と訳されているだけなので,厳密には正しい訳ではありません。
イエス・キリストが復活することをドイツ語ではAuferstehung
(アウフエアシュテーウング)という言葉が使われます。
Fasching(謝肉祭)が終わり、次の日の灰の水曜日からFastenzeit(四旬節)という、
イエス・キリストが磔になり、その後復活する前日までの厳粛な時を過ごし、
そして復活祭です。
復活祭前の週を、Karwoche (カルヴォッヘ)と呼ばれ、受難週です。
特に木曜日から土曜日までをそれぞれ、Gründonnerstag、Karfreitag,Karsamstagと呼ばれています。
Gründonnerstag(緑の木曜日)が最後の晩餐の日です。
キリスト教の成り立ち、謝肉祭(Fasching)を参考にして下さい。
復活祭は移動祝日で、今年2014年は4月20日(日)で、キリストが復活したのが日曜日ですから、復活祭は必ず日曜日になります。
カトリックでは春分の日を3月21日と固定していて、「春分の日を過ぎて、最初の満月を迎えた後の日曜日」と決められています。
そのためカトリックでは3月22日~
4月25日に復活祭がやって来ます。
ちなみに東方正教会はユリウス暦なので、カトリックのグレゴリオ暦と比べると
13日のずれがあるため、4月4日~5月8日になります。
これは325年のニケーアの公会議で定められた設定基準です。
もし満月と日曜日が一致した場合は、その次の日曜日が復活祭で、
春分の日当日が満月で、なおかつ日曜日である場合は、次の満月に続く日曜日です。
英語とドイツ語以外のヨーロッパ諸言語における「復活祭」という言葉は、
全てギリシャ語の「パスハ(Πάσχα)」に由来していて、その言葉も元を辿れば
アラム語の「パスハ(pascha)」で、これはユダヤ教の「過ぎ越しの祭り」を表す
「ぺサハ」(PESACH)」というヘブライ語から来ています。
つまり、キリスト教の復活祭がユダヤ教の「過ぎ越しの祭り」から派生した祝い日であることを示しています。
ドイツ語で「OSTERN」は英語で「Easter/イースター」・・・これはゲルマン神話の
春の女神(あけぼのの女神)「エオストレ(Eostre)」の名前、あるいはゲルマン人の
用いた春の月名「エオストレモナート(Eostremonat)」に由来していると
言われています。
8世紀にはゲルマン人が「エオストレモナート」に春の到来を祝う祭りを行っていたことの
記録があります。
実際、復活祭の習慣の中には、このゲルマン人の祭りに由来すると思われるものも
あります。
復活祭に登場する色をつけた卵(イースターエッグ)や、多産の象徴である
ウサギ(イースターバニー)などが復活祭のシンボルとなっています。
春の到来を祝うお祭りの習慣と復活祭は密接な関係があったわけです。