ウィーンのリンク道路沿いにマリア・テレジア広場という有名な広場あがります。
そこには、マリア・テレジア女帝が中央に、その両側には美術史博物館と自然史博物館という、双子のような荘厳な建造物が見られます。
美術史博物館についてはここではすでに数回登場していますが、今回は自然史博物館について少し書きたいと思います。
自然史博物館は、ヨーロッパでも最も古い自然関係の機関を持った博物館のひとつで、フランツ・ヨーゼフ1世の時代のリンク道路建設時代に、美術史博物館と同様、
ゴットフリート・セムパーとカール・フォン・ハーゼンナウアーにより、1881年には外観が完成し、その後内装に着手し、最終的に1889年8月10日がオープニングでした。
建物の大きさは美術館同様170m x 70mで、外壁にはオーストリア各地からの石灰岩と石灰砂岩が多く使われています。
内部に使用した煉瓦の数は1600万個で、真ん中天井ドームの上には5mの太陽神ヘリオス像が立っています。これは生命の象徴です。
この自然史博物館のベースを築いたのは、マリア・テレジア女帝の夫であるロートリンゲン公フランツ・シュテファンで、学問的に自然研究にも取り組み、動植物、鉱物学にも大変興味があった
研究者でした。
こちらは内部の中央階段ホールです。
美術史博物館に入ったことがある方は、装飾は異なっていますが内部構造は同じであることがわかります。
この中央階段ホールの天井には、美術史博物館同様、素晴らしい天井画を見ることができます。
この天井画は、オーストリアの画家ハンス・カノンによって140m²のキャンバスに描かれたもので、フレスコ画ではありません。
ハンス・カノンは1829年ウィーンで生まれ、1885年ウィーンで亡くなっています。
ウィーンの美術アカデミーで学び、彼の師がヴァルトミュラーです。
この絵は、スフィンクスが絵の中央空間に登場し、その周りには人間の一生が象徴的に描かれています。スフィンクスの下には、擬人化された老人が砂時計を手にし、人生の謎を解こうとしてる・・・ということです。
この自然史博物館は、地球上の陸、海の様々な生物の標本や、鉱物、隕石、恐竜のコーナーなど地元の子供達にとっても大変人気ある博物館です。